
骨密度の低下が招く「意外なデメリット」とは?怖いのは骨粗しょう症だけじゃない! (1/2)
骨は体を支える“柱”ですが、実は見た目の若々しさや体調、太りやすさにも関係しています。
整形外科医・矢吹有里先生(ゆりクリニック院長/骨太な未来プロジェクト アドバイザー)によると、骨密度の低下は「老け顔」や「慢性的な不調」を招くことがあるといいます。
骨密度の低下が「たるみ顔」を招く?
骨の老化というと骨折や骨粗しょう症を思い浮かべがちですが、実は顔の印象の変化にも深く関係しています。
矢吹先生によると、骨密度が下がると顔の骨も痩せて「骨やせ」が起こり、以下のような変化が出やすくなるそうです。
- 顔を支えるじん帯が緩む
- 皮膚がたるむ
- 目のくぼみ(眼窩)が広がる
つまり、肌のたるみやシワの原因は肌そのものではなく、骨の衰えが影響している場合もあるということ。「スキンケアだけでは解決しない」と感じている人は、骨の健康を見直すことがカギになりそうです。
更年期の不調は「骨のサイン」かも?
40代以降の女性に多い肩こり、関節のこわばり、疲れやすさ。実はこれらも、女性ホルモン(エストロゲン)の低下による骨密度の低下が関係している可能性があります。
エストロゲンは骨の形成を助け、古い骨が溶けるのを防ぐ働きをしています。そのため、閉経前後に分泌が減ると骨がもろくなり、体のさまざまな部位で不調が現れやすくなるのです。
「なんとなく体が重い」「肩や腰がつらい」と感じたら、それは骨が発するSOSかもしれません。
骨から分泌される“若返りホルモン”とは
骨は単に体を支えるだけでなく、ホルモン分泌を行う“臓器”でもあることが近年の研究でわかっています。そのひとつが、「オステオカルシン」という“若返りホルモン”です。
このオステオカルシンには、認知・記憶機能の改善や筋力の維持・向上、生殖機能のサポート、インスリン分泌の促進(肥満や糖尿病の予防)といった、驚くほど多くの健康効果が報告されています。
つまり、骨を鍛えることはアンチエイジングにもつながるということ。まさに「骨活=若活」なのです。
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