ASD(自閉スペクトラム症)の人には"独特の雰囲気"がある?専門家の意見は (1/3)
「ASDの人って、なんとなく雰囲気で分かる気がする」。インターネット上では、そんな声を見かけることがあります。一方で、「見た目や雰囲気で決めつけることは出来ない」という専門家の意見もあります。
実際のところ、ASD(自閉スペクトラム症)の人に"独特の雰囲気"はあるのでしょうか。それはまったく根拠のない思い込みなのか、それとも何か理由があるのか。気になる方も多いテーマです。
専門家の見解を交えながら、ASDの人に見られやすい表情や話し方の特徴、そして「外見や雰囲気だけでは判断できない理由」についてさくらひだまり訪問クリニックの加藤久普院長監修のもと探っていきます。
ASDの人には独特の雰囲気があると言われるが……専門家の意見は?
「ASDの人には独特の雰囲気がある」という見方は、まったく根拠のないものという訳ではありませんが、それだけでASDかどうかを判断できるものではありません。
医学的な診断基準は、主に以下の3点が挙げられています。
2. アイコンタクト、身振り、表情など言語以外のコミュニケーションの乏しさ
3. 人間関係を長続きさせることの困難
こうしたコミュニケーションにおける共感や非言語サインの少なさなどが「雰囲気」として伝わることはありますが、特性の現れ方は人それぞれであり、すべての人に当てはまるわけではありません。
また、ASDでなくとも、性格や気質によってASDっぽさを感じさせる雰囲気を持つ方もいらっしゃいます。そのため、決して雰囲気だけで安易にレッテルを貼るようなことは避けるべきです。
実際の診断は、先述した正しい診断基準に基づき、上記の特性が家庭、学校、職場など複数の場所で支障が生じるほど顕在化しているかを見極めて行われるものであり、雰囲気だけで判断できるものではありません。
私たちが目を向けるべきは「本人や周囲の固有のお困りごとをいかに解消していくか」という視点です。その際、特性に由来する苦手を無理に克服しようとすると、かえって本人が自信を失ってしまうこともあります。
一方で、ASDの方は特定の分野において人一倍の強みを発揮します。苦手をカバーしつつ、その人ならではの「得意なこと」を見つけて伸ばしていくアプローチが何より大切です。
次:雰囲気として伝わることも? ASDの人に多い表情や目つき、話し方の特徴






