ASD(自閉スペクトラム症)の人には"独特の雰囲気"がある?専門家の意見は (3/3)
外見や雰囲気だけでは判断できない理由
ここまで「雰囲気として伝わりやすい特徴」を紹介してきましたが、もっとも大切なのは、外見や雰囲気だけでASDかどうかを判断することはできないということです。その理由を整理します。
特徴の出方が人によってまったく違う
ASDは「スペクトラム(連続体)」と呼ばれるとおり、特性の強さも、あらわれ方も、人によって大きく異なります。「独特の雰囲気」がある人もいれば、まったく感じさせない人もいます。一つのイメージで語れるものではありません。
特性をマスキングしている人が多い
多くのASDの人は、社会の中でうまくやっていくために視線や表情、話し方を意識的に調整しています(マスキング)。そのため、外からは「ごく普通」に見える人がたくさんいます。雰囲気で気づかれないことのほうがむしろ多いとも言えます。

同じ特徴は、ASD以外の人にも見られる
視線が合いにくい、表情が控えめ、淡々と話す。こうした特徴は、緊張しやすい人、内向的な人、その日の体調や気分など、ASD以外のさまざまな要因でも見られます。特徴があるからといって、ASDとは限りません。
「雰囲気での決めつけ」は人を傷つける
「あの人はASDっぽい」と雰囲気で決めつけることは、相手に対して失礼なだけでなく、間違っていることも多く、偏見やレッテル貼りにつながります。
ASDかどうかは、本人の困りごとをもとに、医師などの専門家が慎重に判断するものです。
レッテル貼りに使うのはNG!
ASDの「雰囲気」に関心を持つこと自体は自然なことです。しかし、その知識を「人を分類するためのものさし」として使うと、誤解や偏見を生んでしまいます。
大切なのは、雰囲気で判断することではなく、一人ひとりの個性や困りごとに、丁寧に目を向けることです。
もし自分自身や身近な人について「もしかして」と感じることがあれば、見た目や雰囲気で決めつけるのではなく、専門の医療機関に相談することをおすすめします。
監修者プロフィール
さくらひだまり訪問クリニック
加藤 久普 院長
さくらひだまり訪問クリニック 院長
https://sakura-hidamari.com/
【保有資格・所属学会】
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・厚生労働省認定 精神科指定医
・日本精神神経学会認定 認知症診療医
・日本精神神経学会
・日本認知症学会
・日本老年医学会
・日本在宅医療連合学会
・日本臨床精神神経薬理学会
・慶應義塾大学精神・神経科学教室
<Text:外薗 拓 Edit:MELOS編集部>




