「走る女は美しい」は、2005年から始まった┃連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#3 (2/2)
「走るんなら、いつでもページを空けますよ」
物書きですからね。走って、それを書いていいよ、なんていわれると、やっぱり書きたくなっちゃうんです。42.195キロなんていう、狂気の沙汰のような距離(経験した今でもそう思ってます)を走ったら、一体どんな言葉が出てくるのかと興味が出てくる。で、結局、2006年の春、伊達公子さんが走ったのと同じロンドンマラソンに出たのでした。
結果は5時間6分で無事完走したのですが、翌々週後に発売になるスポーツ特集号にこのことを掲載するため、マラソンを完走した翌日はホテルにこもって原稿を書きました。カワラさんは、このために時差のある東京の編集部で入稿を待ってくれていました。
▲2006年のロンドンマラソンにて
一緒に走った友達たちが解放感&達成感に浸りながら観光している時、私は部屋で一人、パソコンに向かって前日のレースを降り返っていました。一度のレースを二度楽しんだわけです。物書きってなかなかいい商売でしょう?
2018年も、元旦のランニングからスタートしたいと思っています。
[プロフィール]
甘糟りり子(あまかす・りりこ)
神奈川県生まれ、鎌倉在住。作家。ファッション誌、女性誌、週刊誌などで執筆。アラフォーでランニングを始め、フルマラソンも完走するなど、大のスポーツ好きで、他にもゴルフ、テニス、ヨガなどを嗜む。『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』『エストロゲン』『逢えない夜を、数えてみても』のほか、ロンドンマラソンへのチャレンジを綴った『42歳の42.195km ―ロードトゥロンドン』(幻冬舎※のちに『マラソン・ウーマン』として文庫化)など、著書多数。『甘糟りり子の「鎌倉暮らしの鎌倉ごはん」』(ヒトサラマガジン)も連載中。
<Text & Photo:甘糟りり子>