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2025年5月29日

男性の3割が職場でセクハラを経験。「実は同性からが多い」「行為の強制も」…背景にある社会的課題とは (2/3)

なぜ男性はセクハラ被害を相談しないのか

セクハラを受けた経験がある方に対して、被害を誰に相談したかを尋ねたところ、112名中60名が「誰にも相談していない」と回答しました。

つまり、約半数の男性がセクハラ被害を誰にも打ち明けず、一人で抱え込んでいる現状が明らかになったのです。

ではなぜ、多くの男性が被害を相談せず、沈黙を選ぶのでしょうか。

「セクハラは女性が受けるものだという先入観があり取り合ってくれにくいと思われる。」(30代男性)

「なかなか男性のセクハラ被害と言われても周りが信じてくれない雰囲気がある。」(40代男性)

「告発すること自体が恥ずかしいと思う。」(30代男性)

「少人数の会社なので、セクハラ被害を訴えると、職場での自分の立場がなくなりそうなので言いにくいなと感じています。」(40代男性)

「細かいことを気にするタイプと思われて出世に影響すると思います。」(40代男性)

「セクハラ被害者は女性」という固定観念が世間に根強く存在し、男性の被害は軽視されがちな現状が浮き彫りになってきます。

被害者が男性か女性かで、世間の反応や対応は変わる

男性がセクハラ被害を訴えにくい現状を反映したコメントも寄せられています。

「セクハラは女性が被害を受けるものという先入観がある。男は少々の事なら我慢しろという風潮。」(40代男性)

「セクハラに関しては、訴えられた場合男性が弱すぎる。逆に男性が訴えても取り合ってはもらえないから。」(30代男性)

「実際に自分の時は取り合ってくれない経験をしています。」(30代男性)

「しょうがない、うらやましいくらい、など、意味のわからない事を言う人が実際にいました。女性が加害者の場合、周りはあまり真に受けてくれません。過度に責めると、逆にセクハラやパワハラにされる可能性が高いからです。」(20代男性)

「男ならそれくらい我慢しろ、むしろラッキーじゃん。という考え方の人がまだまだ多い。」(40代男性)

「男性が被害を訴えても取り合ってもらえない」──アンケートでは、そんな声が多く寄せられました。

これは、「男性は弱音を吐くべきではない」「多少のことは我慢すべきだ」といった社会的な通念が、今なお根強く残っていることの表れと言えるでしょう。

こうした固定観念は、男性のセクハラ被害者に対して訴える機会すら奪い、適切な対応を受けることを難しくしているのが現状です。性別による偏見の壁が、被害の“見えづらさ”をさらに深めています。

では、男性へのセクハラを防ぐには、どのような対策が求められるのでしょうか。

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