2017年10月25日

心身を鍛え、人に優しい子に育つ。キックボクシング王者・勝次が教える「キッズクラス」とは (2/2)

一番上のお兄ちゃんは今年の夏休みに初めて試合に出場させてもらってから、普段の生活でも気持ちに余裕が出てきたというか、ぐっと成長しましたね。真ん中の子は幼稚園の頃はロードワークでついていけなくて、毎回泣いていたんです。それでも勝次コーチは手を引っ張ってでも連れて行ってくれて。今では体力がついて完走できるようになったし、学校の運動会でも活躍できるようになりました。

身体を鍛えて強くなると人に優しくできるようになる

 勝次選手にキックボクシングが子ども成長にどんな効果があるのか聞いてみました。

――キックボクシングは子どもの成長にどんな効果がありますか?

同学年だけじゃなくて、中学生、高校生、大人と幅広い人たちにこのジムで出会うので、学校や家庭じゃ学べないことがたくさん経験できます。たとえば、小さいうちに入ってずっと上級生に教えてもらっていた子が、大きくなって後輩ができると自然に教えてあげていたりするんですよね。

そもそもキックボクシングは全身運動ですから、続けて行くことで体の成長も早くなります。簡単そうに見えるんですけど、左手を出したら右手はすぐ防御しなきゃいけないとか、頭で体をコントロールしていくのですごく難しい。こうして細かい動作ことを意識することは頭や体の成長にもいいことだと思います。

――どんな子どもにおすすめですか?

僕個人としてはやんちゃな子が好きなので、親の手に負えないくらい元気な子が来てくれたらいいですね。逆におとなしい子も大歓迎です。気持ちが弱い子が、あえてキツイ練習を続けることで体が強くなり、自信が持てるようになります。自分に自信がつくと、人に優しくなることにもつながるんです。もし子どもを強くしたいと思っていたら、一度僕のところに連れて来てもらいたいですね。とはいえ、キッズクラスはプロになれるように指導しているわけではなくて、キックボクシングの楽しさを知ってもらうのが第一なので、誰でもウェルカムです(笑)!

 キックボクシングはれっきとしたスポーツ。勝次選手いわく、子どもたちには「ジム以外では友達にパンチやキックをしてはいけないよ」と正しく指導しているそうです。続けることで、子どもがひと回りもふた回りも大きくなれるキックボクシング。コーチの勝次選手を見ればその効果は歴然でしょう。

 彼自身も13年間キックボクシングの練習を重ね、人間的に大きくなってきたひとり。後編では、たくさんの人に支えられつつ、挫折を繰り返しながらチャンピオンベルトを手にした勝次選手の軌跡を紹介します。

▼後編を読む

「人生のターニングポイントに必ず父の一言があった」。キックボクサー勝次が、苦節8年でチャンピオンベルトを手にするまで | 趣味×スポーツ『MELOS』

[プロフィール]
勝次(かつじ)
1987年生まれ、兵庫県出身。目黒藤本ジム所属 新日本キックボクシング 日本ライト級王者 戦績54戦36勝(13KO)11敗7分(2017年10月現在)キャッチコピーは「蒲田のロッキー」。2016年度内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞 功労賞受賞

[取材協力] Kick Box
http://kickbox.jp

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<Text:パンチ広沢/Edit:アート・サプライ(丸山美紀)/Photo:玉井幹郎>

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