インタビュー
2018年2月8日

アメフトを見て「この道しかない」と決めたとき、1日10時間の猛勉強を始めたんです。アメリカンフットボール栗原嵩(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #9 (1/3)

 スポーツ界の第一線で活躍するアスリートに、幼少期の習い事について訊く連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのようにその後のプレーに活かされたか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 第9回は、アメリカンフットボールXリーグで活躍する、IBMビッグブルーの栗原嵩選手。少しつっぱってしまい学校に行かず、毎晩のように夜更かしをしていた栗原選手は、深夜のテレビ番組でNFLを見て「これが俺の生きる道だ」と思ったそうです。優れた身体能力を持ちながらも生かしきれてなかった中学3年生が決めた進路に、親御さんはどのように接していたのでしょうか。そして、アメリカの文化を目の当たりにした栗原選手は、日本のスポーツ界をどのように見ているでしょうか。

親が何を言っても子どもは聞かない

――スポーツ万能ながらも次々にやめてしまい、中学では不登校気味になってしまった栗原さん。次は「アメフトをやりたい」と言ったとき、親御さんは何かおっしゃってましたか。

野球を辞めたときは「自分でやりたいと言ったのだから、もうちょっと続けてみたら」とは言っていましたが、強制するようなことはありませんでした。学校も、休み出したころは「学校に行きなさい」と注意していましたが、僕が全然聞かなかったんで、それ以上は何も言わなかった。

それが、急に学校にまじめに通いだしたので、それだけで喜んでいました。「受験のために塾に行きたい」と言ったときも、すぐに助けてくれた。いい親なんです。常に僕の気持ちを尊重してくれました。今、プロ選手として活動したり、テレビに出たりしているのを、親が一番喜んでいると思います。

――子どもが道を外しそうになったら、親御さんはどのように接すればいいと思いますか。

基本的に親が○○しなさいと言っても聞かないと思う。○○しなさいとは、子どもの意思を尊重せず、一方的な否定につながります。子どもは自分を否定されるのは嫌いです。否定ではなく肯定してから話をすれば、少しは響くのではないでしょうか。僕自身、親に言われたから学校に行くようになったわけではないし、親が何度も注意してきたら、さらに反抗してケンカになるだけだと思います。基本的には本人が変わるまで見守るしかない。僕の場合、スポーツがあってアメフトに出会って変わったので、もし親ができることといったら、本人が好きそうなものをさりげなく目につくところに置いておくくらいでしょうね。

――ちなみに、ご家族はみんなスポーツが得意なんですか?

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