インタビュー
2019年8月26日

小学生で書道と英会話とサッカー、そして遊びに熱中していました。サッカー石川直宏(前編)│子どもの頃こんな習い事してました #24 (2/3)

誰よりもボールを触っている自信があった

――今は趣味でサーフィンをされているそうですが、水泳は習っていなかった?

習っていなかったですね。苦手ではなかったんですけど、習って泳ぐ感じではなかった。父も海が好きで、サーフィンやウィンドサーフィンをしていたので、一緒に連れていってもらって海に投げ込まれて、自己流で泳いでいました。だから今も泳ぎ方はきれいではないと思います。次男と3歳下の三男(元サッカー選手の石川扶さん)はスイミングに通っていました。

――サッカー以外も運動は得意でしたか。

大好きだし得意でした。走ることも好きだったし、自分としてはバスケットや野球など手を使う球技に苦手意識がありましたけど、他の子よりは上手かったと思う。周りから運動神経がいいという見られ方をしていたし、自分でも体力は他の子よりもあるという自信がありました。体育の授業はいつも一生懸命やっていましたね。

――他のスポーツも得意でありながらずっとサッカーを続けてきたのは、自分にはサッカーが一番合っていると思ったから?

「合っている」という感覚はなかったですけど、やればやるほどうまくなる感覚はありました。でもそれは書道もそうですし英語もそうですね。

サッカーの魅力はなんだろう? 練習では自分個人の能力を伸ばしていくことを考えて、試合ではその能力をチームメイトと連携させてどうすれば勝てるかを考える。意識が個からチーム全体に広がることにおもしろさを感じていました。それはチームスポーツ全般に言えることかもしれないですね。

なぜサッカー好きなのか……考えてもはっきりした答えがでないんですが、とにかく常にそばにあったものはサッカーボール。周りに一生懸命練習している子はいましたが、その誰よりも自分のほうがボールを触っているという自信があったし、「これだけサッカーが好きなのだから、もっといろんなことを吸収できる」という確信もありました。本当に毎日朝から晩までボールを蹴っていたので。

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サッカーに興味のなかった父が試合を見に来るように

――2人の弟さんも小さいころからサッカーをしていたそうですが、いい仲間、いいライバルがすぐそばにいたということも影響しているのでしょうか。

そうですね。次男とは同じチームで練習することも多く、いつも一緒にいた記憶があります。三男も小学校に入学してからは、一緒に公園でボールを蹴ることもありました。ゴールキーパーがいないとおもしろくないから、三男にキーパーをさせてたんですよ。最初は嫌がってたんですけど、やってみたら性格的にも合っていたみたいで、チームでも途中からキーパーになってそのままプロになった。僕らのおかげじゃないかと(笑)。

――サッカーに対してご両親のサポートなどはありましたか。

父はバスの運転手をしていて休みが不定期。土日休みはたまにしかなかったし、休みの日は釣りなど自分の趣味に出かけてしまうので、小学校中学年くらいまで練習も試合もほとんど見に来なかった。だんだんうまくなってきて市や県の選抜で選ばれようになったとき、母が「一度見に来たほうがいい、おもしろいから」と勧めたらしいんです。

最初はしぶしぶ来たみたいなんですが、見てみたら「他の子と動きが違う」とおもしろくなったようで、それから試合を見に来てくれたり、遠征のときは休みが合えば車を出してコーチと一緒に付いてくれたり、試合中にビデオを撮ってくれたりするようになりました。やっぱり見てもらえたことはうれしかったですね。今はだいぶ変わりましたが、僕らが小学生のころは保護者のサポートが必須で、共働きだと協力できないからとチームに入れない子もいた。母のサポートにも感謝しています。

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