子どもは夢中に、親は感心。内村周子が教える体操教室が大人気なワケ (1/2)
2017年4月にオープンした新施設「渋谷スポーツ共育プラザ&ラボ すぽっと」(以下、すぽっと)。スポーツを通した子育てを提案するとともに、親や指導者もともに成長する“共育”の場という今までになかった新しい取り組みが注目を集めています。
「すぽっと」の最大の魅力は、以前もこのサイトで紹介した杉山芙沙子代表考案の「スマイルシップスポーツプログラム」をはじめとするさまざまな無料の共育プログラム。今回はそのなかでも、大人気の「内村周子体操教室」をレポートします。
内村航平選手の母・内村周子さんの指導が受けられる体操教室
体操男子の金メダリスト内村航平選手の母・内村周子さんが教える体操教室は、隔週火曜・水曜に実施する1コマ45分間のプログラム。3才未満、6才未満、小学生(1、2年生)のコースがあり、全コースともに「親から離れて集団に親しむ。集団の中で順列、順番、運動ルールや規律を覚える」ことを目的としています。取材したこの日は、6才未満のコースを見学させてもらいました。
開始前にすぽっと内のアリーナに向かうと、ひときわ明るく大きな声で子どもたちに「何歳なの〜?」「元気〜?」と声をかけていたのが、なんと内村周子先生! とっても小柄なのですが、いるだけでパッと周りを元気にしてしまうパワフルなオーラを放っていました。
時間がくると整列をしてみんなで「こんにちは! おねがいします!」と元気にあいさつ。屈伸やアキレス腱を伸ばすなど簡単な準備運動を終えたら、NHKみんなのうたでおなじみの『チュンチュンワールド』にのせて楽しく体操。さらに柔軟体操をしてしっかり体をほぐしました。
次は2枚のマットをアリーナの真ん中に敷き、マットの周りを走る運動。周子先生が弾くピアノに合わせて走るのですが、その間に次々とお題が出されます。
「お馬になって!」「次はキリンになって! キリンは大きいよ。ちゃんと股を開いて歩いてね」「今度はパンダちゃん! 早くパンダの赤ちゃん見たいね〜」「じゃあ、うさぎになれる? 足をグーにしてごらん」「次はおとなしいうさぎさん!」というふうに。子どもたちがお題に出された動物を想像して走りながらカラダで表現するのですが、それぞれに個性があっておもしろい。子どもたちも一生懸命、動物になりきります。
続いて先生の号令と、笛に合わせて立った状態からマットに頭をつけたり、お腹をつけたり、お尻をつけたりする運動へ。瞬時に判断をしなければならないので、うっかりミスをしてしまう子もチラホラ。すると、「先生の声をよく聞いてやらなきゃいけないんだよ」と子どもたちを指導。ちゃんとできたら「100点! すご〜い!!」と、周子先生が大きな声で褒めると、褒められた子は誇らしげな表情をしていました。
ここまで、開始から約20分。アリーナには来ているものの、恥ずかしがりやでママに抱っこされたまま輪には入れない子もいます。そんな子たちにも「一緒にやろうよ」と声をかける周子先生。
今度はみんなマットに座り、周子先生が絵本を読みます。今日の絵本は『ねないこだれだ』(せなけいこ作・福音館書店)。先生が抑揚のある声で読み上げるのでみんな釘付けです。時折、息子の航平さんの子育てエピソードを織り交ぜたり、「絵本に出てきた動物は何?」「夜だった? 朝だった?」「最後お星さまは何個出てた?」とクイズを出したり。ただの読み聞かせだけでなく、考えさせることで右脳の働きを活発にさせる目的があるそうです。
参加する親への気遣いも忘れない周子先生のすごさ