2017年10月26日

“ロケーション”と“コミュニティ”がカギ。未知との出会いを楽しめるランナー向けサービス「Runtrip」とは? (1/2)

 最近、市民ランナーたちの間で、クチコミによってじわじわ広がっている「Runtrip(ラントリップ)」というサービスをご存じですか。このサービスは、ランナーが自分のオススメコースを投稿してシェアするというもの。

 ランニングをもっと楽しくすることを目的に、タイムや距離ではなく、景色や場所といった視点から“コース“にフォーカスしており、身近な場所で新たなコースを発見したり、憧れのコースを走るために旅行したりと、走ることの楽しみを広げてくれます。そんな「Runtrip」の魅力を、サービスを運営する株式会社ラントリップの代表取締役・大森英一郎さんとアドバイザー/コースディレクターの川端康夫さんにお話を聞きました。

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▲取材に応えてくれた株式会社ラントリップ代表取締役の大森英一郎さん

旅行先でランニングコースと出会うことができる

▲サイトにはランニングコースがズラリと掲載されている

 「Runtrip」は名前に「Trip」と付いているように、旅行先でのランニングコースを探したり、また旅行先を探すような感覚で他のランナーによるおすすめのコースを見つけたりと、走ることの楽しみを「コース」というキーワードを軸にして広げてくれます。

 「Runtrip」の基本的な使い方は、とてもシンプル。ユーザー登録したら、検索窓から行きたい場所や旅行予定の地名、または夜景や海沿いといったロケーションについてのキーワードで検索するだけ。約1000件の投稿されたコースから、写真や地図を見ながら、自分好みのランニングコースを探すことができます。また、逆に自分のお薦めコースを作って、投稿することも。

 専用のiPhone/iPadアプリも用意されており、それを使えばコース探しだけじゃなく、実際に走るときのナビゲーションもしてくれます。さらに、Apple Watchにも対応しているので、最新のLTE内蔵モデルならiPhoneなしでのナビゲーションに対応し、より走りやすくなっています。

ランニングコースだけでなく施設情報も網羅

 創業者の大森さんは、「Runtrip」を始めた目的を「ランニングをもっと楽しんでほしい」からと話します。

「ランニングを『つらい、退屈』と思われている方がたくさんいらっしゃると思うんです。でも、ランナーにロケーションとコミュニティ情報を紹介することで『走ることはつらくない。楽しいアクティビティなんだ』と認識してほしいんです」

 同じく「Runtrip」のアドバイザー・コースディレクターの川端さんも「ブログなどでコースのことを書いている人はいっぱいます。けれど、写真はあるんだけど地図はないとか、地図はあっても写真がないとか、どこに荷物をあずけられるのかわからないとか、とにかく情報が一定じゃないんです。でも『Runtrip』は、ランナーに必要な情報がすべてワンパッケージになっています」と「Runtrip」のメリットを話します。

 「Runtrip」は詳細な道案内やコースの写真だけでなく、着替えや荷物置きをするための拠点となるステーション情報も網羅しています。サイト内にはどんな施設で、ロッカーやシャワー、駐車場の有無など、ランニングをする際に気になる要素をフォーマット化してあり、初めてのところでも安心して利用できるというわけです。

 そもそも大森さんは、大学時代に箱根駅伝へ出場した経験があるほどのランナー。しかし、あまりに真剣に取り組み過ぎた結果、つらくなってしまい、社会人になってからは、しばらく走ることから離れてしまっていたそうです。

「再び走り出した時、そこで触れ合った市民ランナーたちはすごくポジティブで素敵な人ばかりだったんです。タイムや順位を競ったりするだけが全てではない。それ以外の楽しみがあることに気づかされました」

 また、観光業界で働いていた当時の大森さんは、地方と関わるなかで「一過性ではなく、永続的に地域を活性化するためにはどうすればいいのか?」という課題にも直面しました。そして、「数字以外の走る楽しみ」と「持続可能な地域資源」という2つの思いから、「Runtrip」のアイデアが生まれたんだそうです。そこから、数年掛けてサービスとビジネスのイメージを固めて、2015年7月にサービスを開始しました。

走ることで仲間が増える!

 “ロケーション”と“コミュニティ”。この2つは「Runtrip」にとって大きなキーワードです。

 “ロケーション”についての取り組みのひとつが「Run for 湯」です。近畿日本ツーリストグループと連携して、地方を満喫できるランニングコースと、ランナー歓迎の日帰り温泉施設をセットにしたイベントを企画しました。森の緑や山の絶景、町の名跡などを眺めながら走ったあとは、温泉で汗を流し、爽快な気分で帰宅できる。これも確かに「数字以外の走る楽しみ」と「持続的な地域資源」の組み合わせから生まれています。

 もうひとつの“コミュニティ”ついても、今年に入って新たな事業を立ち上げたところです。

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