2026年10月28日

エアコン暖房、「弱風」のほうが電気代が高くなる?パナソニックの検証で約60%増の結果に

冬の電気代を少しでも抑えようと、エアコンの風量を「弱」に設定していませんか? その節電方法が逆効果になっているかもしれません。

パナソニック株式会社が実施した検証では、エアコン暖房の風量を「弱」に設定すると、「自動」運転と比べて、室温が20℃に達するまでの消費電力量が約60%増加する結果となりました(パナソニック「エオリア」調べ)。

さらに、冬の暖房費を抑えるために知っておきたい「冬のエアコン暖房節電術」をパナソニック エアーマイスターの福田 風子さんが教えてくれています。

暖房の風量は「弱」より「自動」が節電になる?

エアコンの風量を弱くすれば、その分だけ電気代も安くなる。そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、暖房運転では必ずしもそうとは限りません。

パナソニックでは、約14畳の環境試験室を使用し、室温2℃から20℃に到達するまでの時間と消費電力量を比較しました。検証したのは、次の3つの条件です。

① きれいなフィルター+風量「自動」
② 汚れたフィルター+風量「自動」
③ きれいなフィルター+風量「弱」

その結果、③の風量「弱」では、①の「自動」運転と比べて、室温20℃に到達するまでに約40分も長くかかることが分かりました。

さらに、消費電力量は約60%増加。節電のつもりで風量を弱めても、部屋が暖まるまでに余計な電力を消費してしまう可能性が示されたのです。

フィルターの汚れでも電気代が約10%増加

電気代に影響するのは、風量設定だけではありません。今回の検証では、1年相当の汚れが付着したフィルターを使用した場合についても調べています。

その結果、きれいなフィルターを使用した場合と比べて、風量が約9%低下。室温20℃に到達するまでの時間も約1.3分長くなりました。

さらに、消費電力量は約10%増加する結果に。フィルターにホコリがたまると空気の流れが妨げられ、暖房効率が低下することがあります。

電気代を節約するためには、設定温度を見直すだけでなく、フィルターを清潔に保つことも重要といえそうです。

「弱風」は足元が暖まりにくいデメリットも

風量を弱くすることには、電気代以外にもデメリットがあります。

暖房で暖められた空気は、天井付近にたまりやすい性質があります。今回の検証でも、風量が不足すると暖かい空気が足元まで十分に届かず、足元付近の温度に差が生じることが確認されました。

つまり、風量を弱めることで、部屋が暖まるまでに時間がかかるだけでなく、「エアコンをつけているのに足元が寒い」という状況にもつながりかねません。

冬の暖房では、部屋全体に暖かい空気を行き渡らせることが、快適性を高めるポイントになります。

冬の電気代を抑えるなら「風量自動」と「フィルター掃除」

今回の検証から、暖房開始時には十分な風量を確保し、できるだけ早く室温を上げることが省エネにつながると考えられます。

そのため、パナソニックでは、エアコンの風量を「自動」に設定することや、フィルターの定期的なお手入れを推奨しています。

風量「自動」なら、室温などに応じてエアコンが風量を調整するため、手動で「弱」に固定するよりも効率よく部屋を暖められる場合があります。

プロフィール

パナソニック エアーマイスター 福田 風子

パナソニック HVAC & CC株式会社。自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べたりなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。

※検証条件:パナソニック製エアコン「CS-X406D2」を使用。約14畳の環境試験室で、外気温2℃、設定温度23℃の暖房運転を実施。平均室温2℃から20℃に到達するまでの時間と消費電力量を比較したものです。結果は特定条件下のものであり、実際の電気代や消費電力量は使用環境によって異なります。

<Edit:編集部>