2018年11月13日

日本陸連が市民ランナーを全面サポート。ランニング人口2000万人を目指す新プロジェクト「JAAF RunLink」始動 (2/2)

どうやって魅力を発信する?

 このあと早野さんを含めた3人は、記者団の質問に回答しました。

――現在のランナー人口は?

早野さん:900万人弱と言われています。でも協力してくださる皆さんと一緒に、オールジャパンで取り組めば(2040年までに2000万人という目標は)到達不可能な数字ではないと考えています。

――現状のマラソン大会の課題と、JAAF RunLinkに加盟することの利点は?

早野さん:小さいマラソン大会ほど、保険が高いという課題があります。JAAF RunLinkに加盟した大会は保険が安くなるので、市民ランナーのメリットにもつながります。また、大会の運営側はJAAF RunLinkを通じて情報を共有できるので、ほかの大会で実施されていた良い取り組みを学ぶこともできます。

――市民ランナーには、どのように魅力を発信していきたい?

堀江さん:自分にはできない、と萎縮している人にこそ、走りはじめてほしいと思っています。身体にガタが来る前に走りはじめれば、病気の予防にもなります。そうしたことを伝えたい。あとは、会社以外のつながりができる可能性について広められたら。会社、家族以外に居場所ができます。それが生き甲斐にもなってくるでしょう。

茂木さん:まずランニングは脳に良い、というエビデンスを科学者として伝えていきたいですね。そして、走るのは楽しいんだ、という情報発信をSNSや動画サイトなどのネットワークを通じて行っていく。あとは、走りはじめるきっかけとして身近な人たちの誘いが大事だと感じています。実際、周りにも僕の影響を受けて走りはじめた友人たちがいる。そこで、走る楽しさに目覚めた人たちが周りを誘っていく仕掛けを考えていきたいと思っています。

☆☆☆

 JAAF RunLinkの構想は、ロンドンのランブリテン(runbritain)、チェコのランチェック(RunCzech)といった海外のランイベントも参考にした、と早野さん。その上で「データベースの構築など、ある意味、世界に先駆けた取り組みになっています」と説明し、今後の展開にも自信を見せていました。

・JAAF RunLink 公式サイト
https://www.jaaf-runlink.jp/

<Text & Photo:近藤謙太郎>

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