東京五輪マラソン代表選考レース「MGC」の出場者・コース決定。神野大地「1発逆転、サヨナラ満塁ホームランを」 (2/2)
▲テレビでも生中継されるMGC。TBSのキャスターを高橋尚子さん(左)が、NHKの解説を野口みずきさん(右)が務めます
アフリカのケニアで独自のトレーニングを積んできたという神野選手は「走る場所も悪く、普段通りの練習が行えないことも多い過酷な環境です。そんな高地で、これまでタフな練習を続けてきました。MGCも、残暑が厳しい東京で行われる。自分にも、大いにチャンスがあると感じています」として、選考レースにかける熱い想いを語ります。
▲トークセッション中の(左から)瀬古さん、高橋さん、神野選手、野口さん
MC役の高橋さんから、レース前にどんな練習をしていたか聞かれた野口さんは「コース攻略のため、坂を登る練習などをしていましたね」と現役時代を振り返ります。すると瀬古さんは「MGCのコースも、東京ドームのある水道橋のあたりからずっと上りが続きます」と紹介。つまり後半にどのくらいスタミナが残っているか、が勝負の分かれ目になる、と解説します。神野選手も、実はそこに勝機を見出している様子。次のように語りました。
「2週間前にコースを初めて試走しましたが、上り坂がすごかったです。山登りには自信を持っています。たとえ35km地点(水道橋の手前)で10番手でも、まだ自分にチャンスがあると思っている。そこで1発逆転、サヨナラ満塁ホームランを打ちたいです」(神野選手)
東京オリンピックに出場してメダルを獲ることが陸上人生で最大の目標だったので、しっかり準備してのぞみます、と力強く話していました。
猛暑、酷暑の中でのマラソン開催が、やはり気になります。9月の選考レースは無事に行われるのでしょうか。日本陸連で強化委員を務める河野匡氏は、過去20年間の天候を紹介しました。それによれば、9月の午前10時の平均気温は25.4度で、平均湿度は67.3%、最高気温は29.7度(1999年)、最低気温は19.6度(2002年)とのこと。8月の厳しい暑さの中で行われるオリンピックの本番も気がかりですが、まずは選手にとって最高の条件でMGCが開催されることを祈るばかりです。
▲日本陸上競技連盟 強化委員会 長距離・マラソンディレクターの河野匡氏
<Text & Photo:近藤謙太郎>