2021年11月22日

「便秘のタイプ」に県民性が影響?森永乳業が全国調査

 森永乳業が、全国47都道府県の1万人超を対象に「大腸環境」実態調査を実施。その調査結果のうち、「便秘のタイプ」に絞って知見を明らかにしています。

4割以上が大腸の不調を実感

 調査結果を分析する上で、監修はみなと芝クリニックの川本徹先生が担当しました。便秘を要因別に分類する「便不調タイプ」判定の結果を中心に構成されています。

 また、便不調タイプの分布の地域差を見た分析結果では、県民性診断を行うディグラム・ラボの所長・木原誠太郎さんも参加しているそうです。

 まず、今回の調査で何らかの大腸の不快を訴えたのは約4割(43.2%)。昨年は37.3%だったことから、その割合は増加傾向にあります。

 不快な内容として多かったのが「便秘」で41.1%。続いて、「軟便・下痢」と答えた人が34.0%という結果になっています。「便秘」を訴えた人の割合は、全体(12032名)の17.7%に該当し、およそ6人1人が便秘の症状を感じていることが分かりました。

3大便不調タイプは「排便力不足タイプ」「偏食タイプ」「ストレスタイプ」

 次に、大腸の具体的な不調として「便秘」と答えた人を対象に、みなと芝クリニックの川本院長が「便不調タイプ判定項目」を監修。

 これに基づいてクラスタリングした結果、食習慣や運動不足の影響によって大腸の便を送り出す働きが弱くなる「食事・運動不足型」が37.1%。疲労や精神的な要因によって大腸が緊張し、便がうまく運ばれなくなる「神経型」が31.9%、便が硬くなったり括約筋の機能が低下することで直腸まで下りてきた便がスムーズに排便できなくなる「機能低下型」が31.0%となりました。

 また、排便に関わる筋力が低下している「排便力不足タイプ」も23.3%と多く、腸内環境を整える善玉菌やそのエサとなる食物繊維の不足によって起きる「偏食タイプ」が22.3%、そして自律神経が乱れ大腸が過敏になっている「ストレスタイプ」が19.8%などと続いています。

地域によって異なる便不調の原因

 さらに、便不調タイプを地方別で分析。全国平均に比べて10%以上の開きがあるものをみてみると、食事・運動不足型の「筋力不足タイプ」は北海道や中部地方に多く、「食事量不足タイプ」と「偏食タイプ」の双方は、四国地方に多く北海道では少ないことがわかりました。

 また、神経型の「ストレスタイプ」「疲労タイプ」はともに北海道に多く、四国地方には少ない結果になっています。また、機能低下型の「水分不足タイプ」は東北地方に多く、「排便力不足タイプ」は九州地方と四国地方に多い傾向になっています。

 北海道・四国・九州地方に偏りが見られる結果について、便不調の地域差について分析に参加した木原氏は「北海道の人は自己評価を低く設定しすぎて、気は遣うけど自分に自信が無い人が多い地域。他人との距離が遠くなりがちで、自分から扉を開けるより自分の中で縮こまってしまうので、うまくコミュニケーションが取れずストレスをためています。また、『ストレスは溜め込む方である』の全国男性3位でもあります。このような性格の人が多いので、神経型のストレスタイプの便秘が多いのではないでしょうか」とコメント。

 また、四国地方について「流行りものにすぐに飛びつく人が多い徳島県と、変化を求めない人が多い愛媛県といった一見すると正反対のように見える性格が混在している地域なのですが、全体で共通しているのは『一度決めたらやり続ける性格の人』が多いこと」「(便不調の原因は)食生活をずっと変えていない人が多いからではないかと推察されます」としました。

 ほか、九州地方は「『我慢強い』人が多い地域といえます」「さまざまな状況で我慢をしてきているので『排便を我慢する機会』も多いと推察されます。結果として『排便力不足タイプ』の便秘が多いのではないでしょうか」と分析しています。

<Text:辻村>