2021年2月2日

ハンズフリーで脱ぎ履きできる、新型シューズ「NIKE GO FlyEase」の“履き心地”とは。脳性まひの青年がきっかけで誕生した技術「フライイーズ」が進化 (2/2)

しっかりとした安定性&クッション性を感じる。ウォーキングシューズやランニングシューズの履き心地に近い印象

 そして「ナイキ ゴー フライイーズ」の登場で、フライイーズテクノロジーはさらに多くの人たちのもとへ広がっていきそうです。

▲カラーは3色展開

 「ナイキ ゴー フライイーズ」を履くときは、大きく開いた開口部から足を入れて体重を乗せるだけ。アッパーは自然に足にフィットし、踵はホールドされます。シューズを脱ぐときは、ソールの踵の後方に延びている部分を反対側の足で踏んで、開口部を広げて足を抜くという仕組み。手を使う必要はなく、シューズは開口部が大きく開いた状態でも、閉じた状態でも安定します。シューズを脱いだときに開口部を広げたままにしておけば、次にシューズを履くときは、そのまま足を滑り込ませればよいということです。

 「ナイキ ゴー フライイーズ」のハンズフリーでの着脱のしやすさを支えているのは、蝶番のようなソール構造と、ミッドソール部分のテンショナー(張力調整装置)です。この2つのテクノロジーがシューズを脱ぎ履きする動作をスムーズなものにすると同時に、「ナイキ ゴー フライイーズ」のユニークなルックスを形作っています。

 発売前の「ナイキ ゴー フライイーズ」を実際に履くことができたので、その感想をお伝えしたいと思います。

 シューズを足に入れる前、開口部が大きく開いている状態のとき、ソールは屈曲して、足入れ部分が持ち上がっています。そして足入れ部分は、足を滑り込ませやすい角度になっています。ちなみにミッドソール部分のテンショナーは、ゴムバンドのような感じでストレッチ性があります。

 つま先から足をシューズに滑り込ませて踵に体重を乗せると、自然に開口部が閉じながら屈曲していたソールは伸展し、シューズが足にフィットします。

 見た目の印象や、屈曲するソール構造から、たとえばルームシューズのようなサポート性や安定性があまりない履き心地をイメージするかもしれません。しかし、ミッドソールもアウトソールもしっかりとしていてかなり安定性を感じます。そしてミッドソールは十分に厚さがあるため、クッション性も感じられます。なので、長時間の移動時に着用してもストレスがなさそうです。

 アッパーのフィット感、踵のホールド感も十分にあり、歩いていて足がスポッと抜けてしまうようなことはないでしょう。実際に速度を出して歩いたり、走ったりもしてみましたが、問題ありませんでした。むしろ一般的なスリッポン型のシューズなどと比べたら、かなり快適で、ウォーキングシューズやランニングシューズの履き心地に近い印象です。

 シューズを脱ぐときは、ソールの踵の後方に延びている部分を反対側の足で踏むのですが、目安のポイントは色と素材が変えられているので、わかりやすいと思います。もちろん、履く、脱ぐ、の動作はすべてハンズフリーでスムーズに行えました。

 手などに障がいがあり、シューレースを結ぶ必要があるシューズが履けない、履きづらいという人をサポートするシューズであるのはもちろんのこと、日常のさまざまなシーンで活躍してくれるシューズでしょう。たとえば、両手が荷物でふさがっているとき、急いでシューズの脱ぎ履きをしたいとき、手を洗ったりアルコール消毒したばかりでシューズに触れたくないときなどが想像できます。そして、着用しているときはしっかり足とシューズが一体化されるのでサンダルなどと比べて歩きやすく、走ることも可能です。

 普段、両手がふさがっている状態で急いでシューズを脱ぎたいときに、踵を踏んでしまうことがあるかもしれません。そうすると、一般的なシューズであれば、見た目や機能を損なうことになりますが、「ナイキ ゴー フライイーズ」であれば、そのような心配もありません。

 ハンズフリーで脱ぎ履きができ、歩く、走るといった動作に必要な機能を備えたシューズというのは、一足持っていると重宝しそうです。

 「ナイキ ゴー フライイーズ」は価格が13,000円(税別)で、2月15日より一部のナイキメンバーに招待制で発売をスタート。一般販売は2021年後半の予定となっています。

<Text & Photo:神津文人/Photo:NIKE>

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