ヘルス&メンタル
2024年9月30日

体内時計とは?体内時計が狂う原因と、整える方法「カギは朝食にアリ!」 (3/3)

──夜勤などでどうしても夜型の生活習慣が続く場合、体内時計はどのように変化するのでしょうか。また、それを改善するための具体的な対策はありますか?

夜勤などで夜型の生活が続くと、体内時計が昼夜逆転し、通常の昼間活動型のリズムとずれてしまいます。ずっと夜勤なのであれば、自分が活動する時間帯に合わせて毎日規則正しく生活すれば、何も問題ないです。

以前ご相談に乗った夜勤の方も、19:00~05:00勤務と伺っていたので、17:00は夕食ではなく朝食、休憩中の食事が昼食、退勤後の7:00に夕食だという認識へ改めた後、食事の内容をそれぞれの時間帯に合わせて指導しました。その結果、非常に睡眠の質が良くなり体調が回復されたことがあります。

目の前の時計ではなく、ご自身の体内時計に忠実になることが大切です。

まずいのが「今日は朝に起きて、明日は夕方に起きて」など、生活のリズムがバラバラの場合。睡眠の質が低下し、健康への影響も大きくなります。

夜勤者の夕食の社食では脂質過多の食事が好まれていたという報告があります。そのため、夜勤中はなるべく重い食事を摂らないというのも解決策の一つかもしれません。

いま、その部分に関しては研究が進んでいるところです。

──体内時計を整えるために、日常生活で気をつけるべきポイントや生活習慣はありますか?

体内時計を整えるためには、毎日同じ時間に起きる、朝日を浴びる、バランスの取れた朝食を摂る、適度な運動を行う、寝る1時間前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、夜遅い食事を避けるなどの生活習慣が大切です。

規則正しい生活を心がけることで、体内時計を整え、健康を維持することができます。

──朝食以外に、体内時計を調整するためのアドバイスがあれば教えてください。

朝食以外にも、光を活用することが有効です。朝起きたらすぐに自然光を浴びることで、体内時計がリセットされます。

また、就寝前には光を雰囲気の良いレストランのような間接照明にすることで、自然な眠りを促すこともできます。

朝の適度な運動やストレッチも体内時計を整える助けになります。

──乱れた体内時計は、上記対策をどのくらい続ければリセットできますか?

個人差はありますが、規則正しい生活を続けることで、通常1~2週間ほどで体内時計はリセットされるとされています。

とくに朝の光を浴びることや、決まった時間に食事を摂ることがリセットには重要です。長期的に乱れた生活習慣を送っていた場合は、リセットにもう少し時間がかかることもあります。

著者プロフィール

古谷彰子

愛国学園短期大学 准教授、博士(理学)、管理栄養士、フードスペシャリスト等の資格を生かし、2018年に個人事業主ChronoManageを開業。2023年より現職。早稲田大学 創新研究機構 招聘研究員、 (株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務する。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、時間栄養学的栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催中。現場を通じて得た問題点をもとに、ヒトを用いた臨床試験、官能評価、アンケート調査を行うことを得意とする。企業の商品開発や、マーケティングに役立たせることが出来ると好評を博している。メディア出演、連載、著書多数。

・公式サイト 
https://chronomanage.com/

https://www.aikoku-jc.ac.jp/course/subject/

<Edit:編集部>

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