ヘルス&メンタル
2025年2月5日

繰り返し喉を鳴らす、ずっと咳払い…それ「大人のチック症」かも?対処法を専門家に聞いた (1/2)

「喉を鳴らすのがやめられない」「ずっと咳払いが続いて集中できない!」――こうした行動が気になり、イライラした経験はありませんか? または、自分自身が無意識にそうした動作を繰り返してしまい、周囲の目が気になるということもあるかもしれません。

実は、これらの症状は「チック症」の一種かもしれないのです。

チック症というと子どもの病気というイメージがありますが、近年、大人にも見られることが分かっています。この記事では、大人のチック症とは何か、その原因や対処法について専門家の意見を交えながら解説します。

監修は、大学で障害児教育を専攻し福祉職の実務経験を持つセラピスト・内田優子さんです。

大人のチック症とは

チック症とは、本人の意志とは無関係に繰り返される動作や音声のことを指します。たとえば、「喉を鳴らす」「咳払いをする」「首を振る」などの行動がこれに該当します。

チック症は子どもに多く見られますが、大人になってから発症するケースや、子どもの頃の症状が持続するケースもあります。

大人のチック症の特徴として、 ストレスや生活環境の影響を受けやすく、慢性化しやすいことが挙げられます。

また、近年の研究では 大脳基底核の機能異常やドーパミン系の過活動との関連が指摘されており、単なる「クセ」ではなく、神経学的な要因も関係している可能性があります。

そのため、「気合で治す」「意識すれば止められる」といった考え方は適切ではなく、理解と適切な対応が重要です。

子どものチック症とどう違うの?

子どものチック症は発達過程の一部として起こることが多く、成長とともに自然に消えることもあります。

一方で、大人のチック症はストレスや生活習慣、神経系の問題などの複合的な要因によって引き起こされ、症状が慢性化しやすいことが特徴です。

大人のチック症によく見られる症状

大人のチック症には、音声チックと運動チックの2種類があります。それぞれ次のような症状がよく見られます。

音声チック(発声チック)

喉を鳴らす
咳払いを繰り返す
クシュッと鼻をすする音を出す
不必要な単語やフレーズを繰り返す
動物の鳴き声のような音を発する

運動チック(動作チック)

瞬きを頻繁に繰り返す
顔をしかめる
首を振る、肩をすくめる
腕や足を急に動かす
指をトントンと叩く動作を繰り返す

動作や発声は無意識的に行われることが多く、本人も止められない場合が多いです。

ストレスや緊張が強いときに症状が悪化しやすく、周囲の「え? なに?」「うるさい」といった反応によって、症状がさらに悪化することもあります。

そのため、周囲の方はいくら気になるとしても上記のような行動を指摘し、注意することは逆効果です。さらに緊張させ、症状が悪化する可能性が高いからです。

辛い時、「悩みを相談できる人」がいない。誰かに話を聞いてほしい…どう切り抜ける?

次:「気になる」と感じる人は、どんな対処法をすればいい?

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