大人の発達障害「ADHD(注意欠如・多動症)」によく見られる"話し方の特徴"とは? (2/3)
ADHDでよく見られる話し方の特徴
ADHDを持つ人のなかには、先述した特性により、話し方に特徴的なパターンが見られることがあります。
話が脱線しやすい
会話の途中で別のことを思いつき、そちらに話が逸れてしまうことがあります。
「そういえば」「あ、それで思い出したんだけど」と話題が次々と移り変わり、最初に何を話そうとしていたのかわからなくなることも。
これは、注意が移りやすいというADHDの特性と関係しています。頭の中で連想が次々と生まれ、それをコントロールすることが難しいのです。
本人は話のつながりを感じていても、聞いている側には唐突に感じられることがあります。
話が長く、要点がつかみにくい
伝えたいことがうまくまとまらず、話が長くなってしまう傾向があります。結論から話すのが苦手で、時系列や思考の流れに沿って話すため、聞いている側は「結局何が言いたいの?」と感じることも。
要点を絞ることが難しく、背景情報や関連する話をすべて伝えようとして、結局何が言いたかったのかわからなくなることがあります。
また、「ちゃんと伝わったか不安」という気持ちから、同じことを繰り返し説明してしまうこともあります。
早口になる
頭の中の思考スピードに口がついていこうとして、早口になることがあります。思いついたことを忘れないうちに全部言おうとするため、どんどんスピードが上がっていきます。
聞いている側にとっては、情報量が多すぎてついていけないと感じることがあるかもしれません。
相手の話を遮ってしまう
相手が話している途中で、自分の考えやアイデアが浮かぶと、それを言わずにはいられなくなることがあります。
悪気があるわけではなく、衝動性によって「思いついたら言わないと忘れてしまう」「今言わなければ」という切迫感を感じているのです。
結果として、「人の話を聞かない」「自己中心的」という印象を与えてしまうことがあります。
思ったことをそのまま言ってしまう
頭に浮かんだことを、フィルターを通さずにそのまま口に出してしまうことがあります。「空気を読む」「言葉を選ぶ」といったプロセスを経る前に、衝動的に発言してしまうのです。
本人に悪意はなくても、場にそぐわない発言や、相手を傷つける発言をしてしまうことがあります。後から「なんであんなことを言ってしまったんだろう」と後悔することも少なくありません。
声のボリュームや抑揚のコントロールが難しい
状況に応じた声の大きさの調整が難しいことがあります。
静かな場所で大きな声で話してしまったり、逆に聞こえにくいほど小さな声になってしまったり。感情が高ぶると特に声が大きくなりやすい傾向もあります。
話し方だけでADHDと決めつけるのはNG!
ここまでADHDに見られやすい話し方の特徴を紹介してきましたが、非常に重要な点があります。話し方だけを見て、「この人はADHDだ」と判断することはできません。
話し方だけでは判断できない理由
まず、ここで挙げた話し方の特徴は、ADHDでない人にも見られるものです。緊張しているとき、興奮しているとき、疲れているときなど、誰でも話がまとまらなくなったり、早口になったりすることはあります。
また、ADHDを持つ人すべてにこれらの特徴が当てはまるわけではありません。ADHDの現れ方は人によって大きく異なり、話し方に特に問題を感じていない人もたくさんいます。
さらに、似たような話し方の特徴は、他の要因でも生じます。不安障害、うつ病、睡眠不足、ストレス、性格傾向など、さまざまな原因が考えられます。
ADHDの診断には専門家の評価が必要
ADHDかどうかを判断できるのは、精神科医や心療内科医などの専門家だけです。診断には以下のような要素が総合的に評価されます。
幼少期からの症状の存在、複数の場面(家庭、学校、職場など)での困難、日常生活や社会生活への支障の程度、他の疾患との鑑別。これらを詳細な問診や心理検査などを通じて評価します。
自分や周囲の人がADHDかもしれないと感じた場合は、インターネットの情報だけで判断せず、専門の医療機関を受診することが大切です。
決めつけは当事者を傷つける
「話が長いからADHDでしょ」「空気が読めないのは発達障害だから」。こうした安易な決めつけは、当事者を深く傷つけます。また、実際にADHDを持つ人に対する偏見を助長することにもなりかねません。
話し方に特徴があるからといって、その人を障害者扱いしたり、レッテルを貼ったりすることは避けましょう。一人ひとりの個性として尊重する姿勢が大切です。

次:うまく伝えるには? 今日からできる話し方のコツ
発達障害(ADHD)の人と会話が噛み合わないのはなぜ?その理由と対処法

