ヒステリックな母親のもとで育った人の特徴。大人になってこんな傾向も (3/3)
親がヒステリックだと子どもにどんな影響がある?
親の感情が不安定な環境だと、子どもの心の発達に一定の影響を与えることがあります。
親の顔色をうかがい、本音を出しにくくなる
まず起こりやすいのが、親の表情や声色、機嫌の変化に敏感になることです。「怒らせないようにしよう」「黙っていたほうが安全」と、親の顔色をうかがって行動するようになり、安心して自分の気持ちを表現する経験が少なくなることで、本音や感情を出しにくくなる場合があります。
「何が悪かったのか」がわからなくなる
さらに、理由がわからないまま繰り返し怒鳴られていると、子どもは「自分の何がいけなかったのか」を理解しにくくなります。
たとえば、危険な行動やルールに反する行動をしたため注意された場合と、親自身の機嫌や感情によって怒鳴られた場合。この区別がつかない状態が続くと、「どの行動を直せばいいのか」を学ぶ機会が失われ、社会のルールや適切な振る舞いを身につけるうえで難しさを抱えることもあります。
大人になってからも、「なぜ相手を怒らせたのかわからない」「注意されても聞き流してしまう」といった傾向として現れることがあります。これは、子どもの頃に怒鳴られることから自分を守るため、親の言葉や感情を受け流すことを身につけた結果かもしれません。
親の「感情表現」を引き継いでしまうことも
また、子どもは身近な大人との関わりを通して、感情の表現方法や対処法を学びます。そのため、「怒りや不満は大声でぶつけるもの」というコミュニケーションのパターンを無意識に身につける可能性があります。反対に、感情を表に出すこと自体を避けるようになる人もいます。
「助けて」「つらい」が言えなくなる
とくに身近な大人が、困ったときや精神的に追い詰められたときにヒステリックになることが多かった場合、「助けて」「手伝って」と人を頼ったり、不安やつらさといったネガティブな感情を言葉で伝えたりする方法を学ぶ機会が少なかった可能性もあります。
そのため、大人になって普段は問題なく過ごせていても、仕事やタスク、責任が増えて余裕がなくなったときに、感情をうまく処理できず、かつて身近にいた大人と似た反応が出てしまうことも考えられます。
身についた対処法は、大人になってから変えていける
ただし、こうした反応は「性格そのものの問題」と決めつける必要はありません。子どもの頃の環境に適応するために身につけた対処法であり、大人になってから別の方法を学んでいくこともできます。
人に助けを求める、つらい気持ちを言葉にする、感情が高ぶったときにいったん距離をとるなど、自分に合った対処法を少しずつ増やしていくことが大切です。

また、ヒステリックに感情をぶつけられて育った人の中には、傷ついた気持ちを感じないようにすることで、自分を守ってきた人もいるでしょう。しかし、これまで役立ってきた対処法が、大人になってからはうまく機能しなくなることもあります。
過去の経験によるつらさと向き合いながら、今の自分に合った対処法やコミュニケーションを身につけていきましょう。
監修者プロフィール
鎌田怜那(かまだ・れいな)
一般社団法人マミリア代表理事。臨床心理士、公認心理師。
【所属学会・協会】
・日本臨床心理士会
・日本公認心理師協会
・日本心理臨床学会
・日本アタッチメント育児協会
公式サイト https://mamilia.jp/
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>








