2019年10月2日

体組成計でプロポーションをデザインする【タニタに訊く!体重計をダイエットの味方にする方法(後編)】

 前編では筋肉量と筋質をアップすることで基礎代謝量をあげ、体脂肪率を減らすことがダイエット成功のカギというお話をタニタ企画開発部の西澤美幸さんに伺い、体組成計の使い方や注目すべき計測項目について紹介しました。

《前編》
・【タニタに訊く!体重計をダイエットの味方にする方法(前編)】上手な体組成計の使い方を知ろう

 そこで今回は、なりたい自分にコミットするための体組成計の機能の活用法や、効率的にダイエットしたいダイエッターにおすすめの体組成計+α機器についてのお話です。(初出:2017年7月5日)

ダイエットチャンス期を教えてくれる女性ダイエットモード

 ギュッと引き締まった身体を目指し、重さではなく体組成の質や中身に注目してダイエットをスタートするも、計測して表示される数値に劇的な変化は見られない。たかがダイエット、されどダイエット。一朝一夕とはいかないのがダイエット。

 しかし体組成計に備わった機能を活用することで、より効果的にダイエットすることができると西澤さん。特に女性はホルモンのバランスにより、ダイエットに適した時期とそうでない時期があるのだとか。

「女性ダイエットモードを搭載し、その方の月経周期にあわせた『ダイエットチャンス期』や、ダイエットには不向きな『リラックスおすすめ期』などをランプで知らせてくれる体組成計もあります。毎回の月経開始日を入力していただく必要はありますが、ダイエットに効果的なタイミングを知ることで、より効率的なダイエットが期待できます」(西澤さん)

 ダイエットチャンス期とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加する月経後半から排卵日までの期間をいい、この期間は気持ちが前向きになって気力・体力も充実して活動的になることから、まさにダイエットに最適な時期なのだとか。筋肉量を増やすのにも適したホルモンバランスで、筋力トレーニングを行なうと効果が出やすいとのこと。

 一方リラックスおすすめ期は、排卵後から次の月経までの期間をいい、プロゲステロン(黄体ホルモン)が増加して精神的にイライラしたり身体がむくんだり、心身ともに不安定な状態になる傾向にあるのだそう。ストレスを感じやすい時期でもあり、ムリなダイエットは控えるのが得策なのだとか。「ダイエット、がんばれ!」とか、「ムリしないで休もう」とか、なんだか体組成計に励まされているようでちょっと癒されますね。

▲体組成計 BC-757(サクラピンク)
効率的なダイエットをサポートしてくれる女性ダイエットモード機能を搭載

 ほかにも継続的にスポーツやトレーニングをしている方におすすめのアスリートモード搭載の体組成計もあり、自分の目的に応じた機種を選んでそれぞれの機能を活用することで効率的なダイエットや身体づくりが可能に。体組成計がこんなに至れり尽くせりとは想像以上で、本当にビックリです。

身体を5分割ではかるスゴワザ体組成計で部分痩せできる?

 タニタの体組成計には、全身と5つの部位(左腕・右腕・左脚・右脚・体幹部)ごとの体脂肪率、筋肉量、筋肉スコアが計測でき、さらに両腕・両脚それぞれの筋質も計測できる機種があります。


▲タニタ最高峰モデル「デュアルタイプ体組成計インナースキャンデュアルRD-800」。グリップを握る8電極方式採用で全身と5つの部位ごとの体脂肪率、筋肉量、筋肉スコアが計測でき、計測結果は手元で確認できる

 競技種目にあわせて部位別の身体づくりを目指すアスリート向けの機能ではあるのですが、ものすごく単純な発想だと、これってもしかしたら腕や脚だけなど、部分痩せしたいダイエッターにも役立つ機能なのでは? と思ってしまうのはやっぱり短絡的でしょうか。

「部分痩せというよりは、部分引き締めは可能ですね。脂肪の代謝は肝臓ですべて行なわれていて、全身の脂肪組織がエネルギーとして消費されてしまうので、どこか一部の脂肪だけを代謝させるのは難しいですね」(西澤さん)

 やっぱりピンポイントになんて、そんなに都合良くはいかないですよね。でも「部分引き締めが可能」とのこと、どういったふうに?

「特定の部位を重点的に鍛えれば筋肉が発達するので、脂肪を釣上げる効果があり引き締まって見えます。部位別計測が可能な体組成計では、部分的な引き締めに有効な情報を見ていただけるので、活用していただければいいと思います。全体で痩せるのとあわせて、運動をして部分的に引き締める。『プロポーションのデザインは筋肉』で、『全身を細くするのは脂肪』でというふうに考えてください」(西澤さん)

 体脂肪率を減らして筋肉量を増やしてスリムになる。体組成計を活用して、単に重さだけに囚われず身体の組成を改善してダイエットをすると、リバウンドも少ないとも。それには体組成計で継続してはかり、自分の数値を把握しておくことが大切だとか。

「自分の数字が頭に入っていると次の行動で選択が無意識に変わります。たとえば、昨日より体脂肪率がちょっと増えていたら、今日のランチはこちらのカロリーが低いメニューにしよう、エレベーターをやめて階段にしようなどです。自分の数値を把握していれば、ちょっと悪くなっても引き戻す作用が自分の中で働くようになります。そうするとリバウンドもしにくいですね」(西澤さん)

 だたし、食事を抜いてエネルギー摂取を減らした場合、脂肪より筋肉のほうが落ち方が早いとのこと。なので引き戻すために“食べない”というのはNG。ちゃんと食べて活動を増やすことが大事。タニタ社員の西澤さんには「タニタの社員食堂」という強力なサポーターもいてうらやましい!



▲タニタ本社の社員食堂。健康に配慮したヘルシーで栄養バランスのとれたメニューが毎日提供される

体組成計+α機器でさらに効率的にダイエット

 キュッと締ったプロポーションとスリムな身体づくりのために体組成計を活用し、ダイエットの味方にする方法を伺ってきましたが、最後に効率的なダイエットをサポートしてくれる+α機器についても聞いてきました。

「部分引き締めということであれば、お腹、二の腕、太ももの厚みをはかれる『皮下脂肪厚計』があります。身体が鍛えられていくと、鍛えた部位の筋肉が発達して相対的に脂肪の厚みが減って引き締まってきますので、部分引き締めをサポートする+α機器として使っていただくといいと思います」(西澤さん)

▲La Muse皮下脂肪厚計SR-803(シャーベットピンク)

「1日の消費エネルギーを確認するには『活動量計』を身に付けてあわせて見ていただくことがとてもおすすめです。時間ごとの活動量がグラフで表示されるので、午前中動いてないなと思ったら午後はもっと歩こうなど考えられて、バロメーターになります。自分の消費カロリーを知るのはなかなか難しいので、活動量計と体組成計を組み合わせて数値で管理すると効率的なダイエットができ、目標値の設定やクリアが楽しくなって継続にもつながりますね」(西澤さん)

 

▲活動量計カロリズムAM-133(ヴァニラピンク×シェルピンク)

 さあ、あなたも今日から体組成計で計測できる項目や搭載された機能を使いこなして、体組成計をダイエット最強の味方にしてくださいね!

<Text & Photo:京澤洋子(アート・サプライ)>

取材協力:株式会社タニタ
【タニタ公式HP】http://www.tanita.co.jp