脳トレーニングジム「ブレインフィットネス」に行ってきた (1/2)
年齢を重ねるにつれて、物忘れがひどくなったり、会議の議事録がうまくとれなくなったり、人の名前が覚えられなくなったり……。これらは脳が加齢とともに萎縮し、認知機能が衰えている証拠です。体の健康には気をつかい、鍛えるジムだってあるのに、どうして脳を鍛えるジムはないのでしょうか……と思いきや、実は東京・恵比寿にありました。脳トレーニングジム「ブレインフィットネス®」です。
そこでブレインフィットネス研究所で広報をつとめる森下愛子さんに、ジムの内容についてお話を伺いました。
「ブレインフィットネスは、もともとは認知症を予防する目的でつくられたジムです。超高齢社会と言われていますが、それにともなって認知症の患者の数も増えてきていて、今から5年前の2012年の患者数は462万人。これが2025年には730万人にまで増加すると言われています」
実は認知症はある日突然発症するわけではないそうです。現在研究が進められているアミロイドカスケード仮説によれば、脳内にアミロイドβと呼ばれる異質なタンパク質が20年から25年ほどかけて蓄積。それによってタウタンパク質が凝集、つまり凝り固まってしまい、シミのような老人斑を形成することで脳が萎縮していく。早い人では40代からアミロイドβの蓄積が進行しているとか。認知症といえば、仕事をリタイアしたあとの話かと思っていたら、そうではないんですね。
そして、残念なことに、現在、認知症には根本的な治療薬が存在しないため、予防するしかない。だからこそ通いたいのがブレインフィットネスというわけです。
こちらでは、脳の健康に良い生活習慣を体得するため、脳を鍛えるトレーニングや、脳を休めるトレーニングなどを総合的に行っています。
「脳の健康を維持するためには、生活習慣の改善は欠かせません。ブレインフィットネスでは、脳を鍛えるトレーニングのほか、脳をしっかり休めるための質の良い睡眠のとり方や、脳や身体によい食事についてのレクチャー、筋トレやマインドフルネスの実践方法の指導を行っています。トレーナーが定期的に確認を行い、生活習慣へと移行できるように指導をさせていただきます。意外に思われるかもしれませんが、筋肉を鍛えることによって脳細胞の増加に不可欠なBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれるタンパク質が増えると言われていて、脳の健康には筋トレも欠かせないんですよ」
ストレスをためないことも対策のひとつで、こちらではストレスケアに有効だと言われるマインドフルネス瞑想も行っています。過剰なストレスは記憶を司る海馬を萎縮させるという報告があるんですね。マインドフルネスを実施している間は、脳波を測定して、自分がちゃんと集中できているのかを可視化。繰り返し行うことで、ストレスをコントロールできるようになるそうです。
では、脳を鍛えるためには、どんなことをするのでしょうか?
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