犬の散歩でダイエット。ドッグウォーキング中に脂肪を燃やす“ちょっとした”動き
犬と歩くときの距離や速度を利用して、脂肪燃焼などのウォーキング効果を得ることができる「ドッグウォーキング」(一般社団法人 日本ヒューマン・ドッグウォーキング協会/JHDWA)。
前回は基本的なフォームを説明しましたので、今回はエクササイズ効果が期待できるちょっとしたトレーニングを紹介します。
急に止まったり走り出したりするなど、犬の独特の行動もエクササイズに利用していきましょう。
ウォーキング中にとり入れたい動き
腰をひねって前後に動かす
ウォーキング中に腰をひねって前後に動かすことで、腹筋(とくに両脇)、胸筋、みぞおちのインナーマッスルが鍛えられます。
- 左右の骨盤を交互に前に出すようにして足を出し、かつ上体をあまり動かさないように、ひねりを意識して歩く。胸を張った姿勢を崩さないように。
- 綱渡り時のような、足跡が1本線になるようなイメージをもつ。少し歩幅を広げるとやりやすい。
- 後ろから見るとお尻が揺れているような、いわゆる“モデル歩き”を意識する。
ドッグウォーキング中に1回30秒ほど、合計で2~3回取り入れてください。
つま先歩き
つま先歩きをドッグウォーキングに取り入れることで、身体を健康に保つ筋肉「遅筋繊維(赤筋)」を鍛えます。これは、太ももなど下半身の強化と、腰痛改善にも効果があるとされています。
つま先歩きをすると、自然と殿筋(お尻の筋肉)と、太ももの後ろ側にある大腿二頭筋が働きます。その働きにより、ウォーキングの正しい姿勢も自然とキープできるのです。
犬が立ち止まる“クンクンタイム”や信号待ちの合間には
犬の散歩中には、周りの匂いを嗅ぐ“クンクンタイム”や排泄行動などに伴う空き時間があります。また、道路上の散歩であれば、信号待ちをすることもあるでしょう。
そんなスキマ時間にピッタリなエクササイズを紹介します。
カーフレイズでふくらはぎの血流をよくする
カーフレイズは、踵を上げ下げすることでふくらはぎを鍛える筋肉トレーニングです。これによりふくらはぎに刺激を与え、全身の血流をよくすることができます。
ふくらはぎは“第二の心臓”と呼ばれる重要な役割を果たしています。というのも、心臓が酸素を含む新しい血液を全身に送るのに対し、ふくらはぎは二酸化炭素を含み古くなった血液を、下方に滞留させることなく心臓に送り戻しているのです。
ふくらはぎが衰えてうまく機能しないと、全身の血行不良などを引き起こすことになります。
- 母指球(足裏の、親指の付け根にある膨らんだ部分)に体重を徐々にのせながら、かかとを十分に押し上げる。
- 押し上げた状態で2~3秒維持する。
- その後、かかとをゆっくりとさげ、ふくらはぎを十分に伸ばす。
また、カーフレイズと交互に“つま先上げ”も行うと、脚の前後(ふくらはぎと脛)の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
つま先上げは、脛(すね)の筋肉を強化する運動。これを行うことで、足首の柔軟性が格段に上がります。
ハーフスクワットでお尻や太ももを鍛える
ハーフスクワットはももの表裏、そしてヒップに効果がある運動です。エネルギー消費量が大きいので、エクササイズとして特に効果が期待できます。
- 足を肩幅に開いて立ち、胸を張り背筋を伸ばす。
- 膝を少しずつ曲げて、90度手前まで曲げたら、ゆっくりと膝を伸ばしてもとの体勢に戻る。
10回を1セットとして1~3セットを実践すれば、汗ばむほどに。ワンちゃんもその間、周囲を存分にクンクンして満足できるでしょう。
“犬の散歩が自分の運動にもなっているんだ”という意識をもって、ドッグウォーキングで運動不足解消をはじめてみませんか?
[監修者プロフィール]
加藤なぎさ(かとう・なぎさ)
一般社団法人 日本ヒューマン・ドッグウォーキング協会(JHDWA)監事・広報担当。2013年の協会設立より現職。大学教授、医師、獣医師、ウォーキング指導者、ドッグトレーナーらとともに、ドッグウォーキング・メソッドの確立に尽力。現在、協会の広報窓口として活動中。「ドッグウォーキング」は㈱アソシエーションの登録商標
【公式HP】http://www.jhdwa.org/index.html
<Text : 藤岡千夏(H14)/Photo:一般社団法人 日本ヒューマン・ドッグウォーキング協会(JHDWA)提供、Getty Images>