インタビュー
2025年1月27日

「(当時の自分とは)一緒に働きたくない」。全社員から一斉に辞表を出された話|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方”#6 (1/3)

プロテインやサプリメント、アパレル、フィットネスジムなどを展開する『VALX(バルクス)』は、フィットネス業界において急成長を続けている。ボディビル界レジェンド山本義徳氏とタッグを組み、3期連続の増収、約4年で1360%成長するなど、もっとも勢いのあるフィットネスブランドとなっている。

前回は、憧れの会社に入社したもののモチベーション維持ができなかった話や、仕事のやる気についてお届けした。今回は社員たちとうまくいかなかったエピソードから「人は変われるのか」「経営層や上司、部下との関係の作り方」について学んでいく。

只⽯社長の人生ヒストリーは #1にて

──ブログコンサル時代。社長として成果を出していたものの、全社員から突然の辞表。どのようにして立て直した?

編集部:キーエンスを退職した後は、アメブロで人気ブロガーとなり大ヒット。その経験を活かしてブログコンサルを始めたそうですね。成果を出し続けていたにもかかわらず、ある日突然、全社員から辞表を出されたと聞きました。なぜそのような事態に?

只石社長:あの時代は、僕自身のアメブロがすごい人気で、それを見てくださる人たちをターゲットにしてセミナーを開くと、一回に100人ぐらい来たんですよね。僕が書いたブログで人を集めて、僕が登壇をして、僕が商談をして、僕が少人数の勉強会をやって、コンサル契約も僕がして……全部“僕”だったんですよ。

そうすると、社員たちに対して思うところも出てくるわけです。1円も生んでないじゃん、みたいな。メール返信の仕方ひとつとっても、腹が立ってしょうがなかった。僕がこんなにも努力して獲得した顧客なのに、なんでこんなメールしか出せないのか、とか。

しかも、当時は“人には可能性しかない”と妙に思い込んでいた節もあったので、“お客さんのことを考えていないようなメールを簡単に出せてしまう人間性が良くない”とか、その人自身を否定するようなコミュニケーションをしていました。当然、社員は疲弊してしまって。

次:「辞めたかったら辞めればいいじゃん」

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