
発達障害の人と会話が噛み合わないのはなぜ?その理由と対処法 (1/2)
発達障害のひとつ「ADHD(注意欠如多動症)」。ADHDの人と話が噛み合わない、仕事で何度教えても同じミスをする。説明が通じない……どうすればいいのか。ともしびクリニック代表医師・江越正敏先生が解説します。
なぜADHDの人と話が嚙み合わないのか
江越先生:以下の理由により、ADHDの人が会話に集中できていない可能性があります。
理由1 話が長い
ADHDの人は、集中力が続かないことがあります。そのため、話が長いと内容を記憶しておくことが難しくなり、会話が噛み合わなく感じる場合があります。
理由2 会話の内容に興味がない
ADHDの人が話題自体に興味を持てず、会話に集中できていない可能性が考えられます。
ADHDの人は、興味があることには高い集中力を発揮する一方で、関心のないことに取り組むのが苦手という特性があります。
興味のない話題だと、集中力が途切れてしまいやすいです。
理由3 周囲の環境が騒がしい
周囲の環境が騒がしいため、会話に集中できていないというケースも考えられます。
ADHDの特性はさまざまですが、中には周囲の音に敏感な人もいます。雑音で気が散ってしまい、目の前の人との会話に集中できないことがあります。
ADHDの人と話が噛み合わないときの対処法
江越先生:話が噛み合っていないと感じた際は、「今はこの話をしているよ。あなたはどう思う?」「ありがとう、その話についてはよくわかったよ。じゃあ、○○についてはどう思う?」といったように、会話の流れに応じて軌道修正をしてあげましょう。
職場にADHDの人がいるとき、周りはどう配慮するといいのか
仕事の際の会話では、「簡潔にわかりやすく伝える」ことを心がけましょう。その上で、以下の作業を一緒に行うことをおすすめします。
- メモを取る
- 復唱してもらう
- 最後に見直す
- ミスを減らすためのマニュアルを作る
これらの方法は、ADHDの人に限らず、スムーズに仕事を進めていく上で役立ちます。
多動・忘れっぽい・過集中など、ADHDの人は仕事に支障をきたす特性があるため、少しでも落ち着いて行動できる環境を整えることを意識してください。
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