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「仕事辞めたい」。退職理由が“職場の人間関係”は甘えなの?【専門家が回答】

 仕事や家庭の悩み、ネット炎上、SNSでの人間関係。現代人とストレスは切っても切り離せぬ仲です。ストレスをゼロにすることは難しい……ならば視点を変え、うまくつきあっていく術を身につけると、イライラやモヤモヤ、生きにくさを少し解消できるかもしれません。

 心理カウンセリングやメンタルトレーニングの普及活動を行う、“心の専門家”養成スクール「アイディアヒューマンサポートサービス」のカウンセラーが、皆さんの悩みごとについて考え方や対策をお伝えします。

職場の人間関係が悪く、仕事をやめたいと毎日思うのですが、「退職理由が人間関係だと次も同じ問題が起きたとき辞めざるを得なくなる」と聞き、退職すべきか悩んでいます。社内の派閥争いがひどく、社内政治によるいじめやウワサ話の横行などがツライです。ちなみに入社4年目の新卒で、給与は可もなく不可もなく、仕事内容は好きでも嫌いでもありません。

退職理由が「人間関係」でも大丈夫?

 職場の人間関係が悪いというのは、自分だけではどうすることもできないことも大きいですから、本当につらいですよね。4年間やってこられて、そろそろ限界というところにきているのだと思います。

 ただ、人間関係以外の理由も含めてですが、同じ環境でも辞めずにいる方もいらっしゃる場合は、どのような理由でも「甘え」と捉えられることは考えておかれた方が良いかと思います。人材を採用する側が前職の退職理由を確認するのは、また同じ理由で退職されるのではないかというところを懸念しているからです。

 とくに、人間関係はどの職場でも合う人、合わない人はいらっしゃいますし、企業風土の違いはありますが、ご自身でも改善しようと取り組まれてきたことなど、できうることをしたことをお伝えしておくことは大事ではないかと思います。

「仕事を辞めたい」と思っても、一旦立ち止まって考えたほうがいいパターンとは

 冷静になれていないときは、すぐ答えを出すのは避けた方がよいです。たとえば、意見のぶつかり合いなどがあったとき、理不尽なことがあったとき、心身の疲労が溜まっているときなどです。

 大事な決断は、勢いや感情に流されてしまうと取り返しのつかない結果を招くことになります。結論は、きちんと落ち着いて考えてからで遅くはありません。辞めたいと思うときはどういうときなのかなど、自分と向き合う時間を取ることをおすすめします。

2~3年は同じ仕事をしたほうがいい?

 早期退職を繰り返していれば、我慢ができない人だという評価をされることもあるとは思います。だからと言って、退職を前提にしながら2年3年と続けるのもしんどいでしょうし、きっと仕事での結果にも影響がでてくるのではないでしょうか。やりたいことに真剣に打ち込んだ3年間と、いつも次の仕事のことを考えながら過ごす3年間、自分の人生の時間をどう使うかということにもつながってくると思います。

 もし、早期退職のことで採用されなかったのであれば、それは縁がなかったと思い気にしないこと。すぐ辞めてしまうのではないかという企業側の不安があっても、それも含めてあなたという人を受入れてくれる企業があるなら、それを払拭するように一生懸命頑張ることにエネルギーを使うほうが健全ではないでしょうか。

 職場が仕事がというより、あなた自身がどういう信念を持って仕事をしているかだと思います。どんな職場でも仕事でも、学ぼうという姿勢があれば、人生の礎になるのではないでしょうか。

職場の社内政治、巻き込まれないようにするには

 可能な限り、その手の会話には入らない、関わらないようにするのが良いと思います。自分がいるときにその話題がでたら、なにか用事を作ってその場を離れる、それができない場合は、とにかく聞くだけにとどめ、意見を求められても答えないようにしましょう。

 「そうなんですね、●●さんはそう思っているのですね」と、ただうなずくだけで、同調しすぎないようにしましょう。相手は自分の話を聴いてくれただけで、むしろ好意的に感じてくれると思います。これは、心理カウンセラーが使う、話の聴き方のテクニックのひとつです。

職場いじめのターゲットにならないようにするには

 いかなる理由があっても、いじめる側が100%悪いです。ですが、いじめのターゲットになりやすい原因に心当たりがあるようでしたら、改善をすることもいじめを回避する方法として“アリ”だと思います。

 いじめにつながりやすい理由として、自分を意見をあまり言わない、協調性に欠ける、ミスが多い、指導や意見に対して反抗的、聞き入れない、ルールを守らない、自己主張が強すぎるなどが挙げられます。そうした課題解決に向けて、カウンセラーと一緒にコミュニケーショントレーニングを行うのも選択肢のひとつです。

職場いじめのターゲットになってしまった場合の対処法

 いじめはコミュニケーション不全に陥っている状態ですが、私たちはコミュニケーションのなかで、分かっていても止められない、お互いに不快になる後味の悪いコミュニケーションを取ってしまうことがよくあります。心理学では、ゲームコミュニケーションと言っております。

 ゲームコミュニケーションが起こるのは、自分が満たされない感情を埋めるために、よくないコミュニケーションで得ようとすることです。そういうときは、相手が欲していないコミュニケーションで返したり、反応しないようにすることが一番です。

 そして、まずはダメージを受けていますので、セルフケアをしっかり行ってください。お風呂にゆっくり入って体の緊張を緩めてあげたり、緑の多い所に行って自然に触れたり、美味しいものを食べたりなど、自分の心と身体がよろこぶことを意図的に取り入れて、回復をしてください。

 また企業は、ハラスメント防止の義務がありますので、社内の担当窓口や上席者に相談をするのもよいでしょう。

うわさ話への対処法

 社内政治、巻き込まれないためにということと基本は同じで、聴くことに徹しましょう。「私もそう思う」とか、「それってひどいよね」など、同感や同調をすると、その場では仲間意識ができたように感じますが、あとであなたのことを「●●さんがこんなことを言っていたよ」などと言い、悪者扱いをされてしまうリスクがあります。「よくわからない」という風に距離をおきましょう。

 心理学で、人間関係の例えとして使われている「ヤマアラシのジレンマ」をご紹介します。

~針毛をもつヤマアラシは、2匹でくっつこうとするとお互いの針で相手を傷つけてしまうため、近づきたいのに近づけない~

 ヤマアラシと同じように、人間関係も、相手によって「針の長さ(痛いと感じる距離)」が違う中で、相手に合わせた距離感を保って付き合うことが大切なのですね。

今の職場を辞めるか辞めないか、判断がつかない人へ

 辞めたときと辞めないときの、メリット・デメリットをそれぞれ整理してみることをおすすめします。これはシミュレーション選択という方法ですが、どちらの方にメリット・デメリットが多いか洗い出してみることで、結論が見えてくると思います。

参考:自己肯定感とはなにか。「低いとダメで、高めるべき」なのか【専門家が回答】

[プロフィール]
浮世満理子(うきよ・まりこ)
全心連公認上級プロフェッショナル心理カウンセラー/メンタルトレーナー。アメリカで心理学を学び、帰国後、株式会社アイディアヒューマンサポートサービスを設立。プロスポーツ選手などのトップアスリート、サッカーJ1チームや五輪チーム、芸能人、企業経営者などのメンタルトレーニングを行なうかたわら、多くの方にカウンセリングを学んでほしいと教育部門アカデミーを設立し、心のケアの専門家の育成も行う。一般社団法人全国心理業連合会代表理事。地方自治体とLINEを活用した無料相談を推進している。一般財団法人全国 SNS カウンセリング協議会常務理事。TV にも多数出演。

記事協力
・株式会社アイディアヒューマンサポートサービス
・公式サイト https://www.idear.co.jp/

<Text:編集部>

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