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2025年12月9日

【プロが教える】エアコンの暖房代を安くする「6つのやるべきこと」

暖房の電気代が高い! 節約のために暖房を控える人もいますが、パナソニック エアーマイスターの福田風子さんが「冬のエアコン節電術」を教えてくれています。

パナソニック エアーマイスター 福田 風子さん

パナソニック株式会社 空質空調社 日本マーケティングセンター 空気事業マーケティング統括部
自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア

エアコンの電気代が安くなる! 見直すべき「6つのポイント」

福田さんは、冬に取り入れたい6つの節電テクニックを紹介しています。

  • エアコンの掃除をこまめに行う
  • 設定温度を上げすぎない
  • 風量は“自動”に設定する
  • 窓の断熱対策をする(カーテンを閉めるなど)
  • サーキュレーターを併用する
  • 室外機の周辺を掃除する

とくに、「エアコンの掃除」「設定温度の上げすぎ防止」「風量の自動設定」の3つは、節電効果が高いポイントだといいます。

エアコンの汚れが電力消費量の増加につながる

エアコンは室内の空気を取り込み、冷風や温風にして放出します。ところが、フィルターにホコリが溜まっていると十分な量の空気を取り込めません。

多くの空気を取り込もうと、余計なパワー=電力を使うことになるため、エアコンの運転効率は低下し、電気代を余計に消費する状態に陥ってしまいます。

実際にエアコンフィルターを1年間掃除しないと年間で約25%も消費電力量がアップしてしまうという実験結果もあり、フィルターの目詰まりや冷暖房能力の低下で、金額にして1万円以上も電気代がムダになってしまう場合があります。

※パナソニック製品「CS-F401D2」を使用。電気代31円/kWhでの実験

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「エアコン暖房は電気代が高い」は思い込み?

実のところ、エアコンは、少しの電気エネルギーを何倍もの熱エネルギーに変換できる高効率な省エネ家電です。

暖房器具は一定のパワーで運転し続けるものが多い一方で、高気密・高断熱の住宅では、一度室内が暖まると少ないパワーでも暖かさを維持しやすくなります。そのため環境によっては、エアコンは暖房器具の中でもランニングコストを抑えやすい選択肢と言えます。

たとえば電熱ヒーターは、1の電気エネルギーをそのまま1の熱エネルギーへ変換して消費します。一方、エアコン暖房は「熱そのものをつくる」のではなく、「空気中の熱を集めて移動させる」仕組みで動くため、1の電気エネルギーで何倍もの熱エネルギーを室内に届けることができます。

つまりエアコンは、周囲に存在する熱を上手に活用して温める“省エネ性の高い暖房”だと言えるのです。

また、現代のエアコンはハイパワーと低パワー運転を切り替えて、ムダなく効率的に運転するための技術が備わっています。

設定温度まではパワフルに、到達後はひかえめに。これが省エネ性能を高めています。

暖房、“夜つけっぱなし”だと電気代はいくら?

実際に、パナソニックのエアコンのログデータをもとに、20時以降に8時間、エアコンの暖房を使用した場合の電気代を計算したところ、なんと電気代は「約21円〜90円」!

エアコン暖房の1時間あたりの消費電力(20時以降)

  • 外気温-10℃~0℃未満:約90円(1時間あたり約363Wh)
  • 外気温0℃〜10℃未満:約62円(1時間あたり約250Wh)
  • 外気温10℃〜20℃未満:約21円(1時間あたり約83Wh)

※電気代については、当社PXシリーズの機器ログデータより算出した参考値です。電力料金目安単価 31円/kWhにて計算
※電気代は、電力会社との契約内容や、利用環境(室内外の温度、湿度、お部屋の気密・断熱性など)、使用状況(設定温度、運転モード、風量など)により変動するため、あくまで目安です
※パナソニック「エオリア」調べ

外気温により差があるものの、エアコン暖房を一晩(8時間)つけっぱなしで使用した場合の電気代は、「約21円〜90円」ということがわかりました。

たとえば東京は、気象庁の平年値によれば1月〜2月の夜間の気温が3℃台〜7℃台のため、一晩つけっぱなしの電気代は約62円となります。

エアコンは「室外温度」と「設定温度」の差が大きいほど消費電力がかかります。

冬場は日が出ている昼間に比べ夜間の方が気温が低いことが多く、睡眠時のエアコン暖房は「室外温度と設定温度の差が大きくなる傾向」があります。地域によっても夜間の外気温は大きく異なります。

<Edit:編集部>