「父が嫌い、でも母は好き」なぜ?考えられる理由とは[医師監修] (1/2)
母親のことは好きなのに、父親にはどうしても心を開けない。むしろ嫌い……。
父親と母親に対し、抱く感情が異なるのは珍しいことではなく、いくつかの心理的・環境的な理由があるようです。
なぜ「父は嫌い、母は好き」という感情が生まれるのでしょうか。その背景や対処法とは。心療内科を併設し、自身も父親として日々子どもと接している、なかざわ腎泌尿器科クリニック院長・中澤佑介先生監修のもと解説します。
父のことが嫌いになりやすいきっかけとは
まず最初にお伝えしたいのは、「父親が嫌い」という感情を抱くこと自体は、何もおかしなことではないということです。
私自身も父親として気を付けてはいますが、父親に対して苦手意識や嫌悪感を抱くようになるきっかけは、人によってさまざまです。
威圧的・支配的な態度が続いた
父親が家庭内で威圧的な態度をとっていた場合、子どもは恐怖や緊張を感じながら育つことになります。
大声で怒鳴る、自分の意見を押し通す、反論を許さないなど。こうした関わり方をされると、子どもは「父親=怖い存在」という認識を持ちやすくなります。
大人になってからも、その恐怖心が「嫌い」という感情として残ることがあります。
無関心な態度や不在が多かった
物理的にも精神的にも「いない」父親に対して、愛着を感じにくいのは当然のことです。
仕事ばかりで家にいない、いても子どもに関心を示さない、会話がほとんどないなど。こうした環境で育つと、父親との間に情緒的なつながりが築かれません。
「嫌い」というより「よくわからない人」「他人のような存在」という感覚を持つ人も多いでしょう。そして、関わりが薄かったことへの寂しさや怒りが、嫌悪感として表れることがあります。
母親に対する態度が悪かった
父親が母親に対して冷たい、見下している、暴言を吐くなど。こうした姿を見て育った子どもは、父親に強い嫌悪感を抱きやすくなります。
母親との関係が良好な場合、「大切な母を傷つける存在」として父親を敵視するようになることがあります。直接自分が被害を受けていなくても、母親が苦しんでいる姿を見ることは、子どもの心に深い傷を残します。

コミュニケーションの違いがある
父親世代の男性のなかには、感情を言葉にすることが苦手な人が少なくありません。愛情はあっても、それを表現する方法がわからない。結果として、子どもには「冷たい」「関心がない」と受け取られてしまうことがあります。
また、褒めるより批判する、共感するより正論を言うコミュニケーションスタイルも、子どもとの溝を深める原因になります。
「話してもわかってもらえない」という経験が積み重なると、次第に心を閉ざすようになるのです。
価値観の押しつけが多かった
「男はこうあるべき」「女はこうすべき」「この職業に就け」「この学校に行け」など。父親から価値観を押しつけられた経験は、強い反発心を生みます。
自分の意思を尊重してもらえなかった、自分らしさを否定されたという記憶は、大人になっても消えません。その怒りや悲しみが、父親への嫌悪感として残り続けることがあります。
思春期の衝突がそのまま定着してしまった
思春期は親子関係が難しくなる時期です。この時期に大きな衝突が起き、その関係がそのまま修復されないまま大人になるケースも見られます。
思春期に感じた「わかってもらえない」「干渉される」という不満が、その後の関係性のベースになってしまうのです。
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