
ヘルス&メンタル
2025年5月19日
「毎朝起きられない」「起きても動けない」…それは甘えじゃなくて“自律神経の病気”かも (1/2)
子どもが朝起きれない。いつも、午前中は調子が悪い。もしかして「起立性調節障害」かもしれません。
この病気は、自律神経が正常に動かないことが原因です。「甘え」ではありません。高座渋谷つばさクリニック院長・武井智昭先生が解説します。
朝起きれない子どもに多い病気「起立性調節障害」とは
武井先生:寝不足や発熱などの体調不良がないのに、「毎朝起きられない」「起きても動けない」という子どもは、自律神経の機能障害である起立性調節障害の可能性があります。
「怠けている」わけではなく、体の調子が狂い、朝起きられなくなってしまう病気です。
朝の忙しい時間に症状が出るので、ついつい叱ってしまうママ・パパもいますが、叱っても症状は良くなりません。治療が必要です。
どうして起こる? 起立性調節障害の原因
武井先生:自律神経のコントロールが乱れてしまっているのが原因とされています。
自律神経は、血圧・発汗・体温調節などあらゆる体の機能を担っています。ところがストレス・疲労などの負担が大きいと、自律神経の働きに乱れが生じて、体が思うように動かなくなります。
子どもの体で、何が起こっているの?
武井先生:正常な状態であれば、立ち上がるときは足の血流が引き締まり、全身へ血液を流して、活動ができます。
しかし、起立性調節障害になると、立っても血流が回りにくくなっています。そのため脳に血が回らなくなり、立ちくらみが起こったり、起きることが困難になったり、失神などの症状が出ます。
起立性調節障害の「症状の特徴」
- 朝起き上がれない
- 無理して立っていると、立ちくらみや失神を起こす
- めまい
- 少しの動きで動悸が激しくなる
- 食欲不振
- 頭痛、腹痛、倦怠感
- 乗り物に酔いやすい
- 入浴で気分が悪くなる
- 顔色が悪い
- 嫌な話や嫌な物を見聞きすると調子を崩す
「気合いで治る」ものではありません
武井先生:気合いでは、体は動くようになりません。起立性調節障害には、治療が必要です。
起立性調節障害は、ストレス、過度の緊張、精神的な重荷、活動性が低い、塩分や水分不足などが原因となって、自律神経に影響を及ぼして、体がうまく機能しなくなる病気です。
次:早く治すために、どんなことができる?
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