管理栄養士が語る「筋肉がかなり落ちている人」の特徴とは
「最近、なんだか体が重い」「階段を上るだけで息が切れる」――そんな小さな違和感を、“年齢のせい”で片づけていませんか?
実はそれ、筋肉の衰え(サルコペニア予備軍)が始まっているサインかもしれません。
筋肉は20代をピークに、何もしなければ少しずつ減少していくといわれています。とくにデスクワーク中心の生活や運動不足が続くと、そのスピードは加速。落ちた筋肉を放置すると、見た目の変化だけでなく、姿勢の崩れや慢性的な疲労、ケガのリスク増加など、体全体のパフォーマンス低下につながります。
今回は「筋肉がかなり落ちている人」に見られやすい特徴と、そこからのリカバリー方法について、株式会社Luce代表・管理栄養士の望月理恵子先生に伺いました。
筋肉が落ちると、体に何が起こる?
望月さん:筋肉は“動くための組織”であると同時に、“代謝と健康を支える臓器”でもあります。減少すると、さまざまな不調が起こりやすくなります。
よくある初期サイン
- つまずきやすくなる(体を支える下半身の筋力低下)
- 疲れやすくなる(血流や代謝の低下)
- 太りやすくなる(基礎代謝の低下)
- 血糖値が上がりやすい(筋肉はブドウ糖の最大の受け皿)
筋肉は、食後に血液中へ増えたブドウ糖を取り込み、エネルギーとして使う役割を担っています。そのため筋肉量が少ないと血糖コントロールが乱れやすくなり、生活習慣病のリスクにも影響します。
筋肉量の低下が続くとどうなる?
状態が進行すると、日常生活に明らかな支障が出てきます。
- 転倒しやすくなる(バランス能力の低下)
- 骨折リスクの増加
- 寝たきりリスクの上昇
- 糖尿病・高血圧など生活習慣病の発症リスク増加
- 免疫力の低下
筋肉は“若さの貯金”とも言われます。失ってから慌てるのではなく、早めの対策が重要です。
あなたの“筋肉の衰え度”をセルフチェック
当てはまるものが多いほど、要注意です。
筋肉が衰え始めた人の特徴
□ よくつまずく
□ 夕方になるとぐったりする
□ 以前より太りやすくなった
筋肉がかなり落ちている人の特徴
□ 転倒して骨折したことがある
□ 血糖値が高めと指摘された
□ 風邪や肺炎などにかかりやすい
□ 手足が冷えやすい
□ 顔色が悪いと言われる
□ 汗をかきにくい
望月さん:筋肉量が少ない状態は、単なる体力低下ではなく“健康リスク”の入り口です。早めに筋トレなどの対策を取りましょう。
筋肉がどんどん落ちるNG生活習慣
望月さん:栄養・運動・休養のバランスが崩れると、筋肉は減りやすくなります。
要注意な生活習慣
- 朝食を抜くなど欠食が多い
- 炭水化物だけ/サラダだけなど極端な食事
- 運動習慣がない
- 1日中ほとんど座りっぱなし
- 睡眠不足(6時間未満が続く)
- 不規則な生活リズム
とくに“たんぱく質不足+運動不足”は筋肉減少の大きな原因です。
落ちた筋肉を取り戻す3つのリカバリー術
対策① 「タンパク質+適度な糖質」をしっかり摂る
望月さん:筋肉を作る材料はタンパク質です。体重1kgあたり1.0〜1.2gを目安に摂取するとよいでしょう。
また、糖質が不足するとタンパク質がエネルギー源として使われてしまい、筋肉合成が進みにくくなります。“タンパク質だけ食べる”といった極端な方法は逆効果です。
✔ 朝・昼・夜の3食を基本に
✔ 主食・主菜・副菜をバランスよく
対策② 筋トレを習慣にする
望月さん:筋肉を増やすには刺激が必要です。まずは大きな筋肉を鍛えましょう。おすすめ種目は「スクワット」と「プランク」です。
ポイントは“完璧を目指さないこと”。継続が最大の武器です。
正しいスクワットのやり方
まずは正しい姿勢から。
✓ 足幅は肩幅より少し広めに開く
✓ つま先はやや外側(約30度)に向ける
✓ 胸を軽く張って、背中はまっすぐに
✓ 視線は正面(下を見ない)

1.お尻を後ろに引くようにして、太ももが床と平行になるくらいまでゆっくりとしゃがむ(3秒)

2.膝を痛めないよう重心は「かかと」に乗せ、膝がつま先より前に出ないように意識する
3.かかとで地面を押すようにゆっくりと立ち上がる(2秒)

しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くようにしましょう。
正しいプランクのやり方
1.両肘を床につけ、うつ伏せになる

2.腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす

3.頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする

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