スクワット徹底解説
フィットネス
2024年3月14日

筋トレ「スクワット」の効果とやり方、正しいフォーム、種類と回数

自重筋トレ「スクワット」。簡単に見えますが、実は奥深いメニュー。正しいフォームで行わないと、腰痛や膝の痛みの原因になるほか、意図しない場所を鍛えてしまいがち。

今回は、スクワットの種類と効果、正しいフォーム、回数のほか、負荷設定など解説していきます。

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スクワットのすごい効果とは

大きな筋肉が鍛えられ、効率よく筋力アップできる

スクワットはおもに、下半身を鍛えるフリーウエイトトレーニングです。 “筋肉BIG4”と呼ばれる大きな筋肉が鍛えられるため、効率よく筋力アップを狙うことができます。

筋力が増えると基礎代謝も上がるため、食べても太りにくくなる、日常の消費カロリーが増えるなど、ダイエットにもうれしい効果が期待できます。

下半身の柔軟性を高める

下半身の柔軟性と安定性、足の筋力も身につくため、ランニングをする人にもおすすめです。

ケガ予防として、運動前の動的ストレッチに取り入れるアスリートも少なくありません。

スクワットで鍛えられる部位


スクワットでは、おもに以下を鍛えることができます。

  • お尻(大臀筋)
  • 太ももの前側(大腿四頭筋)
  • 太ももの裏(ハムストリングス)
  • ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)
  • 背中(脊柱起立筋)

スクワットの正しいフォームとやり方

まずは、一般的なスクワット「ノーマルスクワット」から解説します。

ノーマルスクワットのやり方

  1. 足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする
  2. お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
  3. 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る

足を腰幅に開き、立つ。つま先は膝と同じ向きにする 股関節からしゃがむ

肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保ちます。膝がつま先よりも前に出ないよう注意!

スクワットは何回やれば効果的? おすすめの回数

毎日、何回もやればいいというわけではないのが、筋トレの奥深さ。スクワットは、目的によって回数や頻度が異なります。

ダイエットが目的の場合

8〜12回程度で、限界を迎える負荷設定で行いましょう。

筋力向上が目的の場合

3〜7回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。

トレーニングチューブやダンベル、バーベルなどで負荷を高めて強度調整するのもよいでしょう。

筋持久力をつけたい場合

13~20回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。

超回復の理論にもとづき、下半身が筋肉痛になったらトレーニングはお休みするか、別の部位を鍛えるようにします。

やればやるほどいいわけではない

「スクワットチャレンジ」など、連続で何十回も行うエクササイズがSNSにアップされることもありますが、膝に負担がかかり、故障の原因にもつながりかねません。

崩れたフォームで何十回も行うより、正しいフォームで15回×3セット行うほうが効果的です。

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スクワットの効果が出ない「ダメなやり方」

NG1 膝がつま先より前に出ている

骨盤が後ろに傾いた、猫背状態になっています。スクワット前に肩甲骨まわりをほぐすストレッチをし、頭の後ろに手を添える姿勢で行うと、猫背になりにくいでしょう。

膝はつま先より前に出さない

また、太ももの裏(ハムストリングス)やお尻(大殿筋)が硬く、膝や足首などの関節に負担をかける姿勢になっているので、あらかじめ足首・ふくらはぎをほぐしておくとよいでしょう。

初心者のうちは、膝がつま先より前に出ていないか、姿勢が猫背になって崩れていないか、鏡を見ながら確認しましょう。

NG2 膝から動いている

膝を意識して折り曲げると、単なる屈伸運動になってしまいます。また、膝に無駄な力が入ると膝を壊す原因にもなります。

必ず「股関節から」を意識しましょう。

スクワットは股関節から動かす

よく言われるのが「椅子にお尻をちょこんと乗せるイメージ」です。実際に椅子を後ろに用意し、浅く立ち座りを行うと動作が掴みやすいでしょう。

NG3 つま先が上がる、足元がぐらついて安定しない

骨盤が前に傾き、上半身も前に倒れやすい姿勢となっています。

また、足首・ふくらはぎの筋肉が硬いことで、股関節に負担がかかりがちです。足指をほぐしたり、足指を反らしたり曲げたりすることで、ぐらつきも少なくなります。

関連記事:スクワットの効果が出ない“NG”なやり方【筋トレ初心者あるある】

スクワットの種類とやり方【全4種類】

ワイドスクワット

  1. 足を腰幅より広く開き、つま先は膝と同じ向きにする
  2. お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
  3. 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る

ワイドスクワットのポーズ(正面)

足幅を大きく広げ、つま先を外に向かせるワイドスクワットでは、太ももの内側(内転筋)、股関節の奥(腸腰筋)、お尻上部(中殿筋)も鍛えることができます。

ぐらつく人や骨盤が広い女性はワイドスタンススクワットのほうがやりやすいかもしれません。

スプリットスクワット

  • 背筋を伸ばして足を前後に大きく開く
  • 両膝を曲げながら、腰を落としていく
  • 膝を曲げて、地面ギリギリまで腰を落としていく

スプリットスクワットのポーズ(横)

通常のスクワットは足を左右に開きますが、スプリットスタンススクワットは前後に開きます。後足を鍛えるランジに似たポーズですが、前足を意識するランジとは異なり、こちらは後ろ足を意識します。

ブルガリアンスクワット

ベンチや椅子などに後ろ向きで立ち、片足の先を乗せて行います。

  • イスから60~90cm離れ、後ろ向きで立つ。
  • イスに足先か足の甲を乗せ、反対側の脚は前に出す。
  • 背筋を伸ばし、ゆっくりと前方の脚を曲げていく。
  • 90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す。

ブルガリアンスクワットのポーズ(横)

骨盤を正面に向け、ひざとつま先はまっすぐ前に出しましょう。

足の開きが小さいとお尻ではなく太ももの前側に刺激が入り、太くたくましい足に鍛えられます。太ももを細くしたい人は注意しましょう。

スクワットジャンプ

  1. かかとを少し浮かせて足を肩幅に開き、しゃがむ
  2. 膝が伸びきるようにジャンプをしながら両手を上げる
  3. かかとを少し浮かせて着地する
  4. この動作を繰り返します

関連記事:基礎体力を上げる自重筋トレ「ジャンプスクワット」のやり方

スクワットの深さにも種類がある

  • クォータースクワット:膝を45度程度まで曲げてしゃがむ。
  • ハーフスクワット:膝を90度程度まで曲げてしゃがむ。大殿筋メインに効く。
  • パラレルスクワット:地面と太ももが平行になるくらいの深さでしゃがむ。もっとも一般的。
  • フルスクワット:完全にしゃがみ込む。難易度はもっとも高い。

さらに負荷をかけて強度を高める方法

自重で行うスクワットは効果が薄いというウワサも耳にしますが、負荷を高めることでさらなる効果が期待できます

ケトルベルやバーベルなどを使用するのもいいですが、ここでは道具いらずのテクニックを紹介します。

セット間の休憩時間を短くする

インターバルを10~30秒くらいにしてみましょう。

可動域をできるだけ大きくする

可動域を大きく使ってトレーニングを行うことで、筋肉全体に負荷がかかり、力を発揮している時間も長くなるため負荷が高まります。

可動域ストレッチは、スクワットだけでなくどの筋トレにも有効です。

関連記事:筋トレ効果をもっと高めたいときに。可動域を広げる自重トレーニング3選

番外編! バーベルを使ったスクワットのやり方

バーベルを担ぐスクワットは、バーベルを体の後ろにするバック・スクワットがもっとも一般的です。

しかしその他にも、フロント・スクワットやオーバーヘッド・スクワットなどのバリエーションがあり、それぞれ鍛えやすい部分とトレーニング効果が異なります。

バック・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中
  • 扱う重量:もっとも重い

バーベルを体の後ろで担ぐスクワットです。さらにバーベルを高い位置(首の根っこ)にするか、やや低い位置(肩の後ろ)にするかで、効かせやすくなる筋肉群は微妙に異なってきます。

ここで紹介しているのは、高い位置のバック・スクワットです。

バーベルを使ったバック・スクワット(前から見たフォーム)

バック・スクワット(前から見たフォーム)

バーベルを使ったバック・スクワット(横から見たフォーム)

バック・スクワット(横から見たフォーム)

両手を肩幅よりやや広めにしてバーベルを握り、後はエアー・スクワットと同じ動作を行います。

フロント・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中、上腕二頭筋
  • 扱う重量:やや軽い

バーベルを体の前方で担ぎます。手のひらを上に向けて、肘をバーベルの前方でなるべく高く上げましょう。この姿勢をフロント・ラックと呼び、肘と手首の角度を固定してスクワットを行います。

肩や手首の柔軟性に欠ける人にとっては、やや難しい動作でしょう。

バーベルを使ったフロント・スクワット(前から見たフォーム)

フロント・スクワット(前から見たフォーム)

バーベルを使ったフロント・スクワット(横から見たフォーム)

フロント・スクワット(横から見たフォーム)

バーベルの持ち方以外の動作はバック・スクワットと同じです。ただし上記の理由から、扱える重量はやや軽くなります。

また、どうしても姿勢が前屈みになりがちなので、そのことを意識することによってフォームの修正に役立つでしょう。

オーバーヘッド・スクワット

  • 鍛える箇所(メイン):殿部、ハムストリングス、大腿四頭筋
  • 鍛える箇所(サブ):ふくらはぎ、腰、背中、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋
  • 扱う重量:もっとも軽い

バーベルを広く握り、頭上に固定したままで行うスクワットです。肘を伸ばした状態でロックし、脇の裏を正面に向けましょう。この姿勢をアクティブ・ショルダーと呼びます。

バーベルをこの位置に維持するためには上半身の筋力、バランス、そして柔軟性も重要な要素になります。

バーベルを使ったオーバーヘッド・スクワット(前から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(前から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(横から見たフォーム)

オーバーヘッド・スクワット(横から見たフォーム)

もっとも難易度が高く、扱う重量はもっとも軽くなるスクワットです。筋力や柔軟性に欠ける筋トレ初心者は塩ビパイプなどから始めてください。

<Text&Photo:編集部>