体幹トレーニング「プランク」の効果とやり方。初心者はまず30秒から!
体幹トレーニング「プランク」は、スペースを必要とせず、自宅やマンションなどの室内で実践できる人気のエクササイズです。
腹筋や深層筋を含む全身の筋肉を鍛えることができ、腰への負担が少ないため、毎日のトレーニングとして初心者にも大人気!
しかし、正しい姿勢とやり方を守ることが重要であり、間違ったやり方では効果が得られないことも。ここでは、プランクのNGフォームのほか、さまざまな種類のアレンジポーズを、動画と画像を交えて紹介していきます。
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体幹トレーニング「プランク」とは
プランクとは、うつ伏せになった状態で前腕・肘・つま先を地面につき、その姿勢をキープする体幹トレーニングです。
体幹トレーニングとは
首から上・腕・足を除いた胴体部分を「体幹」と呼びます。胸や背中などの大きな筋肉、肩関節・股関節まわりの小さな筋肉まですべて体幹です。
そして、それらを鍛えるのが体幹トレーニングです。
さっそくプランクの正しいフォームとやり方を見ていきましょう。
プランクの正しいフォームとやり方
- 両肘を床につけ、うつ伏せになる
- 腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす
- 頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする
呼吸は止めないように意識します。
プランクトレーニングの効果とメリット
プランクは腹筋や背中、腕や肩など全身の筋肉に刺激を与えることができます。
- 引き締まった腹部やボディラインを作る
- インナーマッスルや背筋強化による姿勢改善
- 腕や肩の筋肉も鍛えられ、上半身の筋力を向上させる
- バランス感覚を養い、日常生活やスポーツパフォーマンスを高める
腹筋トレーニングや腹筋ローラーと比べて、筋力がない初心者でも行いやすいというメリットがあります。そのため、スクワットと並んで自宅トレーニングメニューに非常におすすめです。
プランクはどこに効く? どこの筋肉が鍛えられるのか
プランクで鍛えられる筋肉部位は以下の通り。
- 腹直筋
- 腹横筋などの深層筋(インナーマッスル)
- 腹斜筋(わき腹)
- 二の腕
- 背中
腰への負担も少ないため、腰が痛い人でも安全に取り組むことができます。
プランクは痩せる? プランクのダイエット効果とは
今まで何もしていなかった人がプランクを毎日行った場合、多少の変化は期待できます。下半身の筋肉をつけた方が代謝も上がり、結果的に痩せやすくなるからです。
しかし、プランクだけをやってもダイエット効果は薄いです。もし脂肪燃焼をメインに考える場合は、有酸素運動と食事コントロールはマストです。
関連記事:プランクだけで痩せる?痩せない?ダイエット効果は?FLUX CONDITIONINGSトレーナーが解説
どのくらいやればいい? プランクの時間と回数
まずは正しいフォームで20秒キープを目標にしてみましょう。1セット20秒×3セット(休憩10秒)を目安に行うと効果的です。
長時間できる場合、フォームが崩れている可能性大!
プランクを行う時間を伸ばせば効果が高まると思われるかもしれませんが、そうではありません。長時間できるということは、楽にできる=負荷が少ないということです。
プランクはアライメントをしっかり意識して全身に力を入れるように行うと、長くても30秒程度しかキープできないエクササイズです。
大切なのは何分できたかより、正しい姿勢で行うことができたかという点です。
関連記事:体幹トレーニング「プランク」のギモン。毎日やるべき?長時間やったほうが効果的?
プランクは毎日やっていい?
毎日行ってOK!
筋トレの場合、超回復の理論に基づき休息日を設けて行うことがほとんどですが、プランクは毎日行っても問題ありません。むしろ、毎日行った方が効果を出しやすいと言えます。
関連記事:筋トレは毎日やるべき?週に何回が効果的?トレーニングの頻度と回数
続けるコツは「はじめから頑張りすぎない」こと
とはいえ、始めのうちは習慣化できないもの。まずは30秒、慣れてきたら1分(60秒)など、体力に合わせてみましょう。短時間でも正しいポーズで毎日継続することが、無理なく続けるコツです。
プランクはどのくらいで効果が出る? 続ける期間の目安
もともとの体重や体脂肪、食生活によって変化を確認できる期間は異なりますが、だいたい2~3か月ほどで変化が見えてくるでしょう。
これは他の筋トレ種目でも同様です。
プランクの効果を高めるチェックポイント
体軸が一直線になっているか意識する
効果を高めるためもっとも重要なのがフォーム。そして、そのために意識したいのがアライメント(軸)です。
プランクの場合、頭・肩・腰・膝・かかとのアライメントが、横から見たとき常に一直線になるように意識することが重要となります。
頭が下がったり、猫背になる、お尻が上がるとアライメントが崩れます。頭からかかとまで1本の棒を意識して姿勢を維持しましょう。
腹筋を中心に、全身に力を入れる
アライメントの意識と同時に、全身に力を入れるようにしましょう。プランクの場合、姿勢をキープしておくだけより、お腹や肩、お尻、両足など下半身にもグッと力を入れるように意識すると、効果が高まります。
とはいえ、全身に力を入れるのはかなりハードです。まずは、腹筋に力を入れる意識から始めましょう。
トレーニング用マットを敷いて行う
ひじや腕が床に当たり、痛い場合があります。痛みで姿勢が崩れる可能性が高いので、マットを敷いて行いましょう。
こんなフォームじゃプランクの意味ない! NG例
お尻が上がっている(アライメントの崩れ)
ありがちなのが、お尻が高く上がった姿勢です。お尻が高く上がることで姿勢の維持は楽になります。しかし、楽にできるということは効果がきちんと得られていないということ。
試してみると分かるかと思いますが、疲れてくると少しずつお尻が高く上がっていきます。これは、お尻を上げると体幹部、とくに腹筋への刺激が少なくなり、姿勢が保ちやすくなるためです。
頭がまっすぐではなく、下がったり正面を向いている
姿勢をキープしているときに頭が下がることで、背中が丸まってお尻が上がりやすくなります。逆に正面を向いた状態は、腰が反りやすくなるでしょう。どちらも、腹筋への刺激が低下する原因です。
膝やひじの曲がり、骨盤の捻転など(動作の乱れ)
プランクには、片腕で行う、片足を伸ばすといったアレンジフォームもあります。しかし、アライメントの崩れはもちろん、膝やひじが曲がっている、骨盤が捻転してカラダが傾いていると、効果は高まりません。
そのようなフォームは、楽に行うため無意識的に現れる現象です。
初心者用! プランクができない人は「膝つき」からチャレンジ
正しいフォームで30秒がきつい人は、まず膝をついた体勢からスタートしましょう。
- 両肘を肩の真下に置く
- 足を少し開いた状態で後ろでクロスさせ、膝をつく
- 上半身を持ち上げる
次は、プランクのアレンジポーズです。肘をついて行う以外にも、横向きや片足上げなどさまざまなポーズがあります。
関連記事:体幹トレーニング「プランク」のアレンジメニュー5選
プランクの種類とアレンジポーズ
ハイプランク(ストレートアームプランク)
腕立て伏せのスタート姿勢に近いエクササイズです。プランクはできるものの、足や腕を持ち上げるのはできないという人におすすめです。
やり方
- 床に両手をつき、腕立て伏せの姿勢になる
- 腰を持ち上げる。頭・肩・腰・膝・カカトが一直線になるように意識する
- 20秒間キープする
足は腰幅に広げ、つま先を床に立てる。肘は肩の真下へ
プランク同様、カラダの一直線が正しくできていないと効果は低くなります。腰の位置が上がり過ぎ、または下がり過ぎていないか、頭の位置はまっすぐか確認しながら行いましょう。
なお、動作中はつねにお腹に力を入れておくことを忘れずに!
鍛えられる筋肉(場所)
- 大胸筋
- 三角筋
関連記事:初心者におすすめの体幹トレーニング「ストレートアームプランク」の正しいフォーム、効果的なやり方
サイドプランク
横向きで行う方法です。バランスが悪くなるのでしっかり姿勢を保ったまま行いましょう。
やり方
- 横向きになり、肘を曲げて床につく。両足は伸ばして重ねる
- 前腕と足でカラダを支え、床から浮かせる
- 約20秒間行う
正面から見て、頭・肩・腰・膝・カカトが一直線になるように意識する
横向きのプランクの場合、上から見たカラダの一直線も保つ必要があります。また、カラダを浮かせた際に下腿部が床につかないよう意識してください。
関連記事:サイドプランクの効果とやり方、トレーニングメニュー【腹斜筋を鍛える】
片足ハイプランク
先述したストレートアームプランクがしっかりできたら、片足を浮かせてみましょう。
やり方
- 片足を肩の高さまで持ち上げる
- 10秒間キープする
浮かせた側の脚のカカトから頭まで、一直線にすることがポイントです。お尻や腰が高く上がらないよう意識しながら、足を上げましょう。
左右で20秒×3セットが目安です。
鍛えられる筋肉(場所)
- 体幹
- 背筋
- 臀部
- 大胸筋
- 三角筋
関連記事:【体幹をもっと鍛える】体幹トレーニング「プランク」+「片足を上げる」
片手プランク
ハイプランクの姿勢から、片手を伸ばして体を支えます。お腹と背中、二の腕、お尻への負荷が高い種目です。通常のプランクに慣れてきて、もう少しハードなトレーニングがしたいという方に、特におすすめです。
やり方
- プッシュアップの姿勢になり、腕は肩幅に広げる
- 肘を伸ばしながら、片手を肩のラインまで上げてキープ
- この動作を左右で行う
左右それぞれ20秒ずつ行いましょう。お尻と腹筋に力を入れ、腰が反ったり丸まったりしないようにし、なるべく一直線をキープします。
鍛えられる筋肉(場所)
- 腹横筋
- 広背筋
- 上腕三頭筋
- 臀筋
ワイドスタンスプランク
手幅・足幅を広げて行うプランクです。手幅・足幅を広くするだけで、体幹部にかかる刺激量が大きくなります。
やり方
- 足は腰幅よりもこぶし1個分広げ、つま先を床に立てる。肘は肩の真下に置く
- 30秒キープする
30秒×3セット行いましょう。
鍛えられる筋肉(場所)
- 体幹
- 大殿筋
- 腰まわり
- 背中
- 三角筋
ワンレッグプランク(片足プランク)
プランクの姿勢から片足を浮かせるエクササイズです。
やり方
- 両肘を床につけ、うつ伏せになる
- 腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす
- 片足を可能なところまで上げる
お尻や腰を高く上げたり、腰を反らせる人も少なくありませんが、それでは腹筋群への刺激が減るだけでなく、腰を痛める原因になります。
足を浮かせたときもしっかり腹筋を意識し、カラダの一直線を保ったまま行いましょう。左右で各30秒×3セットが目安です。
鍛えられる筋肉(場所)
- 体幹
- 背筋
- 臀部(お尻)
プランクレッグレイズ
プランクのポーズから、足を交互に上げ下げしていきます。体幹部はもちろん、お尻ともも裏の筋肉に、特に効くメニューです。
やり方
- プランクの姿勢を作り、足は少しついた状態で、つま先でふんばる
- 片方の足を、膝が曲がらないように上げて下ろす
- この動作を左右交互に行う
左右交互で、計20回行いましょう。かかとから蹴り上げると、お尻への負荷が高まります。腰が反らないように、常にお腹に力を入れておきましょう。
鍛えられる部位
- 臀筋
- ハムストリングス
ハイリバースプランク
仰向けで腕を伸ばして行うプランクです。体幹と太ももを同時に鍛えることができます。キツイ動きや反復動作がなく、同じ姿勢を取り続けるトレーニングです。
やり方
- 床に長座となり、手のひらを地面につける
- 上半身を上げていく
- 頭から足先まで一直線をキープし、上を向く
30秒を3セット行いましょう。腰を落とさないようにしてください。頭からかかとまでが一枚の板なるイメージが大切です。
鍛えられる部位
- 体幹
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
サイドプランクロール
サイドプランクの姿勢で片手を上げ、体の内側に巻き込んでいくトレーニングです。体をひねることで、脇腹への負荷を高めていきます。
やり方
- 横向きになり、地面に近いほうの肘を立てて、上半身を持ち上げる
- 両足を伸ばし、足の側面で下半身を支える
- 上にある手を上げ、体をひねるように下げていく
左右で20秒ずつ行いましょう。
軸がブレないように、腹筋と背筋にしっかり力を入れてください。体をひねったときに、お尻が上下しないよう、姿勢に注意しましょう。
鍛えられる部位
- 腹斜筋
- 体幹部
ローリングプランク
体を横に回転させながら、ノーマルプランクとリバースプランクの体勢を繰り返すトレーニング。一般的な“静”のプランクに対して、こちらは“動”のプランクです。
動きながら鍛えることで、さまざまなスポーツで使う体幹部を鍛えることができます。
やり方
- 腕立て伏せの姿勢になる
- 片手を離しながら体を横に一回転させる
- 逆の動きを行い、始めの腕立て伏せの姿勢に戻る
常にお腹に力を入れて、フォームが崩れないようにしてください。腰が下がらないように注意です。
鍛えられる部位
- 三角筋
- 上腕三頭筋
- 腹直筋
- 腹横筋
スパイダープランク
プランクの状態から、蜘蛛が歩くように足を動かすトレーニングです。膝を持ってくる動作によって、体幹を強くする部分でもあるお腹まわりの筋肉へさらなる負荷をかけます。
やり方
- プランクの体勢となり、片足を肘の方へ持ち上げる
- 左右交互に繰り返す
20回×3セット行いましょう。上半身はなるべく動かさないように注意!
鍛えられる筋肉(場所)
- 体幹トレーニング
- 臀部
- 腸腰筋
プランクプッシュアップ
プランクとプッシュアップ(腕立て伏せ)を組み合わせたトレーニングです。腹筋などの体幹以外にも、大胸筋、上腕三頭筋、三角筋を鍛えることができます。
やり方
- 腕立て伏せの姿勢になる
- 片肘ずつ床につけていく
- 両肘が床についたら、今度は片手を床につけ、体を起こしていく
- 左右順番に体を持ち上げて、落としていく
腕を動かすことで上半身が左右にぶれやすくなりますが、頑張ってキープ!
鍛えられる筋肉(場所)
- ヒラメ筋
- アキレス腱
有酸素運動と筋トレを組み合わせたような種目として、心肺機能強化の面も期待できます。
次に、これらのアレンジポーズで構成されたサーキットトレーニングを紹介します。
プランクを活用したサーキットトレーニング
最後は、サーキットトレーニングをプランクで行ったメニューにも挑戦してみましょう。
1.プランク(20秒)
<休憩10秒>
2.サイドプランク右側(20秒)
<休憩10秒>
3.サイドプランク左側(20秒)
<休憩10秒>
4.ワンレッグプランク右側(20秒)
<休憩10秒>
5.ワンレッグプランク左側(20秒)
<休憩10秒>
6.ヒップリフトブリッジ(20秒)
<休憩10秒>
7.プランクプッシュアップ(20秒)
<休憩10秒>
8.スパイダープランク(20秒)
<休憩10秒>
監修&執筆者プロフィール
プロスポーツトレーナー和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳/Edit&Photo:編集部>