「父親からの愛情不足」で育った人の特徴を、男女別に解説
父親との関係は、男性の心に大きな影響を与えると言われています。とくに、幼い頃に父親からの愛情を感じられなかった、あるいは尊敬できる存在として見ることができなかった場合、その影響は大人になってからもじわじわと表れます。
家庭や仕事、恋愛の中で繰り返すモヤモヤの正体は、もしかすると“父性不足”による心の影かもしれません。子どもの成長発達にくわしい臨床心理士、公認心理師で一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さん監修の記事をまとめました。
まずは父親の愛情が不足したまま育った「男性」にフォーカスしていきます。
子どもにとっての父親の心理的役割とは
子どもにとって、父親の存在は母親とはまた違った「心理的な役割」を持っています。
父親は、母親が担う「無条件の愛情と安心」の役割とは少し異なり、社会とのつながりや自立の感覚を教えてくれる象徴的な存在です。

たとえば、父親の関わりを通じて、子どもはルールや秩序、外の世界との関係性を学びます。
父親がどのように感情を表現し、人と接し、自分自身を律しているか。その姿から「社会での自分のあり方」や「男性像」を学ぶのです。
とくに男の子にとっては“将来の自分像”として、女の子にとっては“異性との関係の土台”として、父親は無意識のうちに大きな影響を与えます。
“父性不足”で育つと、男性の場合、とくに「自己肯定感」と「男性としてのアイデンティティ」で影響が出やすい
男性の場合は「自分はどういう存在か」「どういう男でいたいか」という自己像の形成において、父親との関係が非常に深く関与しており、それが揺らぐとさまざまな面に不安定さが生まれやすいと考えられます。
とくに顕著なのが、「男らしさ」や「リーダーシップ」といった社会的に求められる男性像に対する強いプレッシャーです。

男性にとって父親は、自分が「どんな男になりたいか」を無意識に学ぶ“モデル”のような存在です。その父親から十分な愛情や関心、承認を得られなかった場合、「自分には価値がない」「男としてダメなんじゃないか」という深い自己否定感を抱きやすくなります。
その結果、社会的な場面で自信を持てず、必要以上に他人の評価に依存する、逆に虚勢を張って“強い男”を演じてしまうこともあります。
また、感情をうまく表現できない、人に弱みを見せることが怖いと感じる男性も多くいます。それは、幼い頃に感情を受け止めてもらえなかった経験が根っこにあることも少なくありません。
結果として、パートナーシップや友人関係でも、どこか壁を作ってしまう、深い関係を築くのが苦手になる場合があります。
父性を引き継げていない感覚から、自分が家庭を築くこと、父親になることに対して不安を感じる人も少なくありません。
「尊敬できる父親像」がなかったために、自分が父親になったときどう接すればいいのかわからず、戸惑いや不安を感じやすいという点もあるでしょう。
続いて、「父親からの愛情不足」で育った女性について見ていきましょう。
「父親からの愛情不足」で育った女性に見られやすい特徴
いい父親を見てこなかった、放置されていたなど、父親から愛情を貰えなかったと感じたまま育った女性には、いくつか共通傾向があります。
もちろんすべての人に当てはまるわけではありませんが、傾向として次のような特徴が見られることがあります。
自己肯定感が低い
「自分は愛される価値がない」と無意識に思い込みやすく、自信が持てないことが多いようです。褒められても素直に受け取れず、否定的に考えがち。
男性との距離感が極端になりやすい
愛情に飢えていて「愛されたい」気持ちが強く、依存的になるパターン。または逆に、「男性は自分を傷つける存在だ」と男性に対して不信感や警戒心が強く、親密な関係を避けるパターンもあります。
恋愛で「愛情の確認」を繰り返す
パートナーからの愛情を何度も確認しないと安心できず、不安定な恋愛をしやすい傾向にあります。一方的に尽くす・我慢する恋愛に陥るケースも。
過度な頑張り屋・承認欲求が強い
誰かに認められたいという思いから、無理をしてまで努力し続けてしまいます。他人の期待に応えようとしすぎたり、意見に合わせようとしたりと、やがて自分の本音がわからなくなることも。
感情コントロールが難しく、自己否定に陥りやすい
少しの出来事でも強く落ち込む、怒りをうまく扱えないといった傾向があります。
“父性不足”で育つと、女性の場合、とくに「恋愛面」で影響が出やすい
父親という存在は、特に女の子にとって「初めて関わる異性」「安心して甘えられる男性モデル」としての役割を担っています。
父親からの無条件の愛情や承認を受け取れていないと、大人になってから男性との信頼関係の築き方や、愛されているという実感をうまく受け取れないケースも。
たとえば、相手に依存しすぎる、愛情を試すような行動をとってしまう、逆に男性を信用できず距離を取りすぎる、といったパターンが代表的です。自己肯定感の低さも相まって、「愛される価値がないのでは」「見捨てられるかも」といった不安がつきまとい、恋愛が不安定になりやすいのです。
ただ、影響が出るのは恋愛だけではありません。先述の通り「他人との距離感」「自分の感情の扱い方」「ストレス耐性」などに影響が出る人も少なくありません。
監修者プロフィール
鎌田怜那(かまだ・れいな)
一般社団法人マミリア代表理事。臨床心理士、公認心理師。
【所属学会・協会】
・日本臨床心理士会
・日本公認心理師協会
・日本心理臨床学会
・日本アタッチメント育児協会
公式サイト https://mamilia.jp/
<Edit:編集部>


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