2020年12月24日

疲労回復のカギは“お風呂”にアリ。専門家に聞いた、疲れたカラダに効果的な入浴法

 心身ともにリラックスし、疲労回復をサポートしてくれるお風呂。あったかい湯に浸かって思わず出る「あ〜、極楽、極楽」というつぶやきは、今も昔も変わりません。

 今回は、株式会社バスクリンの広報責任者でありお風呂博士の石川泰弘さんに、効果的なお風呂の入り方について伺いました。石川さんは、お風呂博士として各地で入浴・睡眠に関する講演を行い、TV・ラジオ出演のほか『お風呂の達人』など多数の著書もあり、スポーツ健康科学の博士号を持つ本物の博士でもあります。

※石川泰弘さんは現在、大塚製薬に所属(2019年4月より)。本稿の情報は初出当時のものです。

疲労回復に効果的な入浴3ヵ条

◆シャワーではなくぬるめの湯に浸かる

「しっかり血液循環させるためにお風呂でぬるめの湯に浸かって、1日1回は体温を上げて血行を促進する、リラックスするというのが大切です。時間は15分も浸かれば十分。遅く帰宅した夜ならカラダを洗わなくても、湯に浸かって軽くでも血液循環させて寝たほうが結果、疲れがとれますから」(石川さん)

◆決まった時間に食事をし、寝る2時間前には入浴する

 お風呂に入るタイミングとしては、寝る2時間前には入浴することがよく、食事の前か後かでは、栄養を循環させるという意味で先に食べて落ち着いてから入るのが望ましいとか。しかし、入浴によって血液循環はよくなっているので、お風呂の後に夕食を食べても大丈夫だそう。いちばんいけないのは、食事を食べないとか時間がバラバラなこと。

「食事もお風呂に入るのも規則正しい生活を送るっていう、最終的にはそこになっちゃうんですが、疲れをとって健康でいるためにはそうなんですね。よくお風呂に入らない(シャワーだけ)って人は忙しいからと言うけど、湯に浸かってる時間なんてせいぜい15分ですよ。その15分が作れないなんてことはないと思うんです」

疲労回復のための入浴3ヶ条まとめ

☑ お風呂に入って1日のうち1回は体温を上げる
☑ ぬるめのお湯に15分ほど浸かってリラックス&血液循環
☑ 就寝2時間前には入って、ちゃんと食事は摂る

毎日浸かり、疲れを明日に持ちこさない

 もちろん、毎日お風呂に浸かるほうが効果的とのこと。

「だって、疲れって毎日とらなきゃ。それが溜まっていくのはぜんぜんよくない」(石川さん)

 運動後にスポーツジム・クラブなどのシャワーで汗を流しても血液循環はよくならないし、体温も上がらないので、帰宅後は湯に浸かるだけでいいので、再度お風呂に入るのもポイントとのことでした。

[プロフィール]
石川泰弘(いしかわ・やすひろ)
株式会社バスクリン販売管理部販売促進課マネージャー広報責任者。博士(スポーツ健康科学)。温泉入浴指導員や睡眠改善インストラクターの資格を持ち、“お風呂博士”としてTVやラジオ、雑誌などに数多く登場。健康・スポーツとお風呂の関係や、効果的な入浴法などについて学校や自治体、他企業など全国各地で講演会も行なっている。サッカー好きで週末ランナーというスポーツ愛好家。著書に『バスクリン社員が教える究極の入浴術 お風呂の達人』(草思社)、『バスクリン社員が教える おうちでバスタイム』(ネコ・パブリッシング)、『バスクリン社員がそっと教える肌も腸も健康美人になる入浴術26』(スタンダードマガジン社)ほか共著、監修も多数
【バスクリン公式HP】https://www.bathclin.co.jp/

※本記事はMELOSで公開された記事「お風呂に入れば睡眠の質も上がる。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(前編)」を再編集したものです。

<Edit:編集部/Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>