産後の運動、いつからやっていい?家で寝たままできる骨盤調整ピラティス (1/2)
落ちてしまった腹筋、ゆるんだ骨盤底筋、ぽっこりお腹にボディラインの変化、腰痛、肩こりと産後の身体は、大きなダメージが残ります。何とかしたいと思っても、産後すぐではまだ身体も本調子ではないし、何カ月くらいから運動してもよいのか、どんな運動なら大丈夫なのか、何から始めたらよいのかお悩みの方も多いでしょう。
最初に手をかけてあげたいのは、出産でいちばんお疲れの骨盤まわりです。ピラティスならば、産後の骨盤調整に効果が見込めます。産後のお悩みや注意点を踏まえて、「骨盤ケアから寝たままでもできる産後ピラティス」を紹介していきましょう。
産後のピラティスはいつからできる?
運動は医師のOKが出て、産後出血が止まってから
産後の身体はとてもデリケートです。出産で大きくなった子宮が、元の大きさに戻るのに約1カ月かかり、その間お腹の皮膚とともに腹筋や関節もゆるみ、精神的にも不安定さが残ります。そのため基本は、産後1カ月検診で医師から「通常の生活に戻っても大丈夫」とOKが出たら、軽い運動から始めるとよいとされています。
産後8週くらいまでは、出血(悪露)も続くので、産後出血が止まったくらいが運動開始の目安になります。
「産後6カ月間」は産後ダイエットに最適な時期
また、出産でゆるんだ骨盤が元に戻るには、約6カ月かかると言われています。その間、育児などで偏った姿勢をしていると、ゆるゆるの骨盤は左右偏ったまま戻っていき、産後6カ月くらいで骨盤は閉じて固まってしまいます。
実は、この「産後6カ月間」が、産後ダイエットに最適な時期なのです。出産のために関節を緩めるゆるめるホルモンが多く分泌され、産後減ることで骨盤が固まります。このとき子宮の回復を助けてくれるホルモンも多く分泌され、出産前の身体に戻ろうとする力が働きます。このホルモンは食欲を抑え、脂肪燃焼を促す働きがあると言われています。
骨盤が固定される前に骨盤を矯正し、お腹まわりの深層筋肉を意識して動かすピラティスは、骨盤を正しい位置へと戻すことで腰痛など不調を改善するだけでなく、産後のダイエット効果やスタイルアップにもつながります。一般的には1~2カ月過ぎから6カ月くらいまでの間に積極的に身体を動かすことで、元の身体に戻りやすいとされています。
運動を控えた方がいいパターンもある
ただし、出産後の状況などによっては運動ができない場合がありますので、様子を見ながら徐々に行うようにしてください。とくに注意が必要なのが以下の方です。
【運動制限の可能性がある方】
●産後1カ月に満たない方
●帝王切開で出産された方
●恥骨痛、会陰部痛がある方
体調によっては、かかりつけ医師にご相談のうえ、許可が出てから運動するようにしてください。産後も寝てばかりではなくなるべく起き上がること、深呼吸や脚の曲げ伸ばし、軽い腹筋運動などをすることで、子宮や筋肉、臓器など身体を元に戻す助けになります。
ピラティスで産後のアンバランスな身体を正しい姿勢に戻す
産後ママに一番多いお悩みが、腰痛と肩こりです。その原因は、前述したように育児や授乳中の姿勢の偏りが大きく関わっています。痛みを緩和し、姿勢の歪みを整えるには、「正しい姿勢」が大切です。まずは、育児中などの姿勢をチェックしてみましょう。
【育児中の悪い姿勢】
●片側に赤ちゃんを抱っこして授乳しているため、頭・肩・お尻が片側に偏っている
●背中を丸めて猫背の姿勢で授乳
●横座り、女の子座り(お尻を真ん中に落として膝を内側、足先を外側へ向けて座る)
●イスに浅く腰かけ骨盤を後ろに倒して背中を丸めた姿勢
●足を組んでイスに座る
●お腹の前側で赤ちゃんを抱っこし、下腹が出て腰が反り出っ尻
このような悪い姿勢を無意識にしている産後ママを見かけることがあります。赤ちゃんとの関係で、無理な体勢をとってしまうこともあると思います。まずは、姿勢から見直していきましょう。
【育児中の正しい姿勢】
●座るときは背筋を伸ばし、しっかり骨盤を立て、左右のお尻をバランスよくつける
●授乳中も、左右偏らず、肩の高さ、腰の位置などを左右整えるよう気をつける
●とくに前で抱っこするときは、お腹に力を軽く入れ、腰の反りすぎに注意
座りにくいときは、クッションやタオルをお尻の下や腰の後ろに置くと正しい姿勢をとりやすくなります。また、授乳時はクッションなどを膝の上に置いて、赤ちゃんを高い位置にしてあげると、背中を丸めず肩や腰、抱っこをする腕の負担も軽減してくれます。