2020年7月2日

産後の運動、いつからやっていい?家で寝たままできる骨盤調整ピラティス (2/2)

産後のダメージは骨盤から整えよう

 出産でいちばんダメージを受けている骨盤まわり。ここを整えるには、骨盤を前後左右にゆらす「ペルビックロッキング」がおすすめです。

【ペルビックロッキングの方法】
1:坐骨を左右前後均等につけ、あぐらの姿勢で座る
2:左右の腰骨に軽く手を添え、ゆっくり左右にゆらす
3:お尻の坐骨を左右バランスよくつきながら行う
4:骨盤を前後にも揺らす
5:息を吐きながら後ろへ、吸いながら前へ
6:ゆらゆらゆらしながら、最後は左右前後バランスのよい位置で止まる

 「ペルビックロッキング」は、お尻のマッサージ効果もあります。骨盤をゆらゆら動かしながら安定した位置にすることで、骨盤の歪みを整え、血行もよくなり、腰痛・生理痛の緩和にもつながります。

 あぐらがつらいときは、イスに座ったり、仰向けで膝を立てて行っても問題ありません。後ろに倒すときは、少しおへそを奥のほうへ引き込みながら行うとよいでしょう。

ゆるんだ骨盤底筋を意識して産後の尿漏れも解消

 産後の尿漏れは、人には言えない悩みのひとつです。ピラティスでは、深層にあるコア筋肉を意識して使いながらエクササイズをしていきます。なかでも骨盤底筋群は、エクササイズをしなくても、座る・立つ・寝るとき、いつでも手軽に意識できるのがよいところです。

【骨盤底筋を意識する】
●前述の正しい姿勢で、正座かイスに座る
●軽く膝を閉じて、尿を途中で止めるように息を吐きながら、股の間の骨盤底筋を締める
●息を吸いながら骨盤底筋をゆるめる

 お尻や太ももなど大きな筋肉に力が入らないように、お尻の穴も一緒に軽く締めたりゆるめたりを繰り返します。正座で骨盤底筋の下に小さいボールかクッションをはさむと意識しやすいです。

 横向きで寝て、両膝を曲げて間にクッションをはさみ、膝を締めてクッションを押す「クッションスクイーズ」というエクササイズもあります。膝を締めるときは、力を入れてギュッと締めないように、30%くらいでやさしく締めるのがポイントです。肋骨やお腹を閉じて腹筋や内ももを引き締め、骨盤底筋のあたりに意識を向けてください。

 この動きは妊娠中からできるので、産後の骨盤底筋のゆるみや尿漏れ予防を兼ねて行っておくと効果的です(※注:痛みがでたり、体調がよくないときは中止し様子を見て行ってください)。大きな動きのあるエクササイズではないので、産後すぐにでも、寝たままでもできるのがポイントです。

「産後6カ月の間」にセルフケアを行うと効果的

 育児も大切ですが、産後ママの身体もいたわり、手をかけてあげるのも大切。身体が元に戻ろうとする力が働く「産後6カ月の間」にぜひ始めてみてください。

[著者プロフィール]
大熊美智代(おおくま・みちよ)
フリーライター&エディターとして美容健康、エクササイズ、グルメ、旅行など執筆・編集を手がける。2009年より新体操ワールドカップ元日本代表・ピラティスインストラクター松本宗子主宰のMTKウェルネスパートナーズ認定講師として活動。現在、よみうりカルチャー錦糸町、セントラルフィットネスクラブ、ヨガピス越谷レイクタウンなどでピラティス、ヨガ、パーソナルトレーニング等の指導を行う。編書に『マタニティ&ベビーピラティス』『ピラティスエクササイズ』(共に小学館)『千葉麗子のインテグラル・ヨーガ』(ローカス)等がある。ラーメン、かき氷、猫が好き
【Instagram】@kuma_48anna


<Edit:松田政紀(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

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