ヨガが心と体に与えるメリット。始める前と後、どんな変化があった?専門家が回答
大人の習い事として人気のヨガ。健康や美容に関心の高い女性だけでなく、男性からのニーズも高まっています。そんなヨガの気になるギモンや悩みをピックアップし、専門家にぶつける本企画。全米ヨガアライアンス認定アカデミーFIRSTSHIPの講師リーダー兼スタジオディレクターの藤井誠さんに聞いてみました。
今回は、ヨガをやる前と後で変わったことについて。
Q.ヨガをやる前と後で、どんな変化がありましたか?肉体面と精神面、「こんなことまで!」など、幅広く教えてください。
A.体の不調がなくなり、精神面でも多くの効果を感じています。
ヨガを始める以前、私はアパレル業界で働いていました。特に病気なわけではないけれど、なんとなくカラダがだるかったり、冷え性だったり、便秘ぎみだったり。そして何より、疲れやすかったように思います。20代後半でこのような自覚症状があったので、はたして30代を健康に過ごせるのかという不安を抱き、ヨガを始めました。
ヨガを始めてからは、それらの不安要素は少しずつ改善されていき、すごいなと感動したのを覚えています。単なる運動効果とは言いきれないほどのメリットを感じたのです。自分の生命力、エネルギーが高まっているとでも言うのでしょうか。言葉で表すのは難しいのですが、精神面での効果もじわじわと感じたのは事実です。
たとえば、ヨガの練習を通じて、忍耐力というものが徐々に身につきました。以前は、コツコツ地道に行うようなことは苦手としてきましたが、ヨガの実践により変化が起きました。それは、なかなか思うように通りに動いてくれない、伸びてはくれない、自分のカラダとじっくり接していく中での変化でした。カラダの反応や状態を繊細に感じ取り、それに応じて練習を繰り返す中で、地道に物事を継続するという姿勢も、自然と身についていったように感じます。
そして一番の大きな収穫は、客観性や見極める力がついたこと。さらには、直観力が育まれてきたなと感じています。今の自分に必要・不必要な事柄や関係性が、頭を使ってではなく、直観的に分かるようになってきました。意図的に物事を動かそうとするのではなく、もっと自然な形で、必要なものが自分の前に提供され、また、然るべきタイミングで与えられることを理解できているので、常に潔くいられるのです。
その結果、自分のコントロール外のことについては他力本願とし、自然の流れに身を委ねられるようになってきたので、過度なストレスがなく、心を緩ませることができています。そのことにより、直観力が強くなったと感じています。
ヨガを実践している多くの人々は、リラックスしていて自然体に見えると思います。私だけでなく、きっと多くの人が、そのような効果を自分自身、もしくは周囲の人に感じているのではないでしょうか。
ヨガスクールに通う生徒の多くは、ヨガというツールを得たことにより、生き方や人生そのものが変わったと言います。それは当然といえば当然です。ヨガとは、自己変容していくプロセスに、とても有効なツールです。だからこそ、世界中で人種や宗教に関わらず、さまざまなバックグラウンドの人々によって実践が続けられているのだと思います。
ヨガを始めてみれば、カラダを動かすことだけではない、その効果をきっと感じていただけることでしょう。
[監修者プロフィール]
藤井誠(ふじい・まこと)
ヨガスクールFIRSTSHIPの講師リーダー兼スタジオディレクター。ヨガ哲学や解剖学に基づき、呼吸や瞑想に重きをおいたヨガの指導を得意とする。豊富な知識と経験に裏づけされた指導に定評があり、多数のイベント出演、メディア露出経験がある。全米ヨガアライアンス上位資格E-RYT500、継続教育指導資格YACEPを保持し、著作に、ヨガ専門書としては破格の3万部売れたヨガポーズ傑作集「ヨガポーズパーフェクトバイブル(ナツメ社)」他がある。
[記事協力]
株式会社LAVA International
公式サイト https://lava-intl.co.jp/
<Text:編集部/Photo:Getty Images>