瘦せ始めサイン?ダイエット中に下痢やおならが増える理由[医師監修] (2/2)
サイン2 お肉が柔らかくなる
お腹・二の腕・太ももなどの気になる部位のお肉が柔らかくなっていたら、痩せ始めているサインかもしれません。
ダイエット前は以下の理由から、むくみやすく、お肉をつまんだ時に固さを感じたり、つまめないほど固いことがあります。
- 老廃物の滞留
- 血液やリンパ液の循環が滞る
しかし、ダイエットを行って血流が改善すると、むくみが解消されて、お肉をつまんだ時に柔らかさを感じるようになるでしょう。
サイン3 むくみにくくなる
痩せ始めることで体脂肪や内臓脂肪が減少すると、血液やリンパ液の流れが改善され、むくみにくくなります。
- 顔や足がスッキリして見える
- 体重が減る
- 体が軽やかになる
- きつく感じていた靴や靴下がラクに履ける
などのことを感じる場合は、むくみが解消されているかもしれません。
サイン4 肌荒れが減る
痩せ始めると血行が良くなります。その結果、肌に必要な栄養素や酸素が運ばれやすくなり、ターンオーバーが促進され、肌が綺麗になるということが考えられます。
また、ダイエットのために食事内容を改善し、ビタミン類やたんぱく質など肌に必要な栄養素をバランス良く摂取できていると、肌荒れが減り、肌が綺麗に見える可能性もあります。
サイン5 睡眠状態が良くなる
痩せ始めると、寝返りを打つための負荷が軽くなり、深い睡眠がとれると考えられます。そのため、睡眠状態(睡眠の質)が良くなる可能性があります。
また、ダイエットのためにバランスの良い食事を摂っており、以下などの栄養素が体に補給され、睡眠に良い影響を与えているということも考えられます。
- ビタミンB6
- マグネシウム
- トリプトファン
サイン6 冷え性が軽減する
ダイエットによって痩せ始めると、以下の理由から冷え性が軽減するケースがあります。
- 血液の流れが良くなる
- 代謝が活発になる
冷え性が軽減すると基礎代謝がアップし、さらに痩せやすい体へと変わっていくので、「冷え性が治ってきた=痩せるチャンス!」と考えても良いかもしれません。
冷え性の改善はダイエットの他にも、生理痛の緩和・疲労回復・睡眠の質の向上などにも役立つので、手足の冷え具合をチェックしておくと良いでしょう。
サインがちゃんと出ないのはダイエット方法が間違っている?
痩せ始めのサインは、必ずしもあらわれるわけではありません。
もともとの体質・腸内環境・肌状態・生活習慣などによって、サインが出るか出ないか変わってくるため、痩せ始めの目安の1つとして考えておく程度にすると良いでしょう。
ただ、ダイエット方法が間違っていることが原因でサインが出ない可能性も考えられます。その場合の原因は以下の通りです。
- 摂取カロリーが少なすぎる
- 栄養不足・栄養のバランスが悪い
- 過度に運動をしている
間違ったダイエット方法は、体調不良・免疫力の低下・基礎代謝の低下などを起こす可能性があり、痩せるどころか太りやすく不健康になってしまうこともありえます。
正しいダイエット方法で、健康的に減量することを意識してください。
痩せ始めのサインが出るのはいつから?
一般的に痩せ始めサインが出るのは、ダイエットを開始して1週間~10日程度からでしょう。そこからさらにダイエットを継続することで、減量・ウエストなどのサイズダウンにつながると考えられます。
ただし、これには個人差があり、体質・生活習慣・ダイエット方法などによって異なるため、上記の期間はあくまでも目安として考えておきましょう。
痩せていく順番は?
痩せていく順番は個人差がありますが、一般的には以下のような順番で痩せる傾向があります。
顔・二の腕・手首・足首・ふくらはぎ
↓
胸・背中などの上半身
↓
太もも・お尻・お腹
体質や生活習慣などによって、痩せる順番は大きく異なります。どの部位から痩せていくかはあまり気にせず、全体的に健康的なダイエットを心がけましょう。
下痢やおならが頻発する場合は要注意?
ダイエット中に下痢やおならが頻発することは、よくあることです。主な理由としては、食事内容と運動量の変化が関係していると考えられます。
ダイエット中に下痢がよく起こる理由と対処法
ダイエット中に下痢が生じる理由として、以下が影響していると考えられます。
- 食事内容の変化
- 摂取する水分量の変化
- 運動量の変化
- ストレス
▼下痢が起こるしくみ
食事内容の変化 | 食物繊維を多く摂取した場合や、糖質や脂質を減らした場合など、食事内容が変化することで腸内環境が変わり、下痢が生じることがあります。 |
摂取する水分量の変化 | ダイエット中に、飲む水分量に増減があった場合、腸内の水分量に影響を与え、下痢を引き起こすことがあります。 |
運動量の変化 | ダイエット中に過度な運動をして、消化器官の運動が過剰になった場合、下痢を引き起こすことがあります。 |
ストレス | ダイエットがストレスになっている場合、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増え、腸の運動を乱し、下痢が起こることがあります。 |
下痢が続く場合は、栄養バランスが崩れていないか、十分な水分補給をしているか、ストレスがないかなどを確認し、適切な対処行いましょう。
下痢が1週間以上続く場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。
ダイエット中におならがよく出る理由と対処法
ダイエット中におならが出やすくなるのは、以下が影響していると考えられます。
- 食物繊維の摂取量の増加
- 消化酵素の変化
▼おならがよく出るしくみ
食物繊維の摂取量 | ダイエット中に食物繊維を多く摂取することで、腸内環境が改善され、おならが出やすくなることがあります。 |
消化酵素の変化 | ダイエット中に食事内容を変えることで、消化酵素の量や種類が変化し、食べ物の消化にかかる時間が変わることがあります。その結果、腸内で発酵や腐敗が進み、おならが出ることがあります。 |
おならがよく出ること自体は、基本的に健康上問題ありません。ただし、異常に多く出る場合は消化器系のトラブルやストレスなどが原因である可能性が考えられます。
気になるようであれば、医師の診察を受けると良いでしょう。
痩せたと判断できる基準とは
痩せたと判断するためには、以下の項目をチェックしましょう。
- 体重・体脂肪率
- ウエストサイズ
- 見た目
基準1 体重・体脂肪率
基本的に体重は毎日量りましょう。
体重は、その日の食事や運動の効果が比較的早く反映されます。その結果を確認することで、改善すべき点を把握・モチベーションの維持などができるでしょう。体脂肪率も体重と同様、基準としての参考数値にしておくことをおすすめします。
ただ、体重は1日で大きく変化します。さらに体重の測定だけでは、脂肪が減ったのか・水分が減ったのか・筋肉が減ったのかということまでは分かりません。
そのため、体組成計で体重・体脂肪率・筋肉量などを測定しつつ、以下の項目をチェックするとベストでしょう。
基準2 ウエストサイズ
ウエストのサイズも、毎日測りましょう。腹囲は筋肥大によって太くなりにくく、逆に体脂肪の変化によって太さが変わりやすいもの。そのため、ウエストを測り、体脂肪の減少具合をチェックしましょう。
ウエストの測定方法
- まっすぐに立って、自然に呼吸をする
- おへその少し上あたりの、最も細い部分を測定する
時間帯によってウエストサイズに差がでてしまうため、毎回同じ時間帯に測定しましょう。また、正確な数値を出すため、測定前に排尿しておきましょう。
基準3 見た目
数値だけでなく、見た目も記録しておき、理想の体型に近づいているかチェックするのもおすすめです。毎日、全身・気になる部位の写真を撮り、変化を確認しましょう。
とくに後ろ姿は自分で確認しづらいため、写真を撮ることで参考になります。
「体重の減少は停滞気味だけど、体が締まってきた」という場合もあります。これは、体重に変化はないけど、体脂肪が減少し、筋肉量が増えている証拠。
このようなパターンも、見た目の変化をチェックしておけば、ダイエット停滞期でもモチベーションをキープできるはずです。
「痩せ始めるとどんどん痩せる」って本当?
「痩せ始めるとどんどん痩せる」ということはあり得るでしょう。
- エネルギー代謝が上手く行われない状態
- 浮腫んでいる状態
こうした状況が解消されたとき、体重が急速に減少することがあります。ダイエット開始時に起こることが多いです。
また、ダイエットの一環で筋トレを積極的に行っている場合、筋肉量の増加によって基礎代謝が上がり、痩せやすい体になっている可能性も考えられます。
この場合、同じ活動量でも消費カロリーが増えるため、どんどん痩せることがあるでしょう。
痩せるために大切な3つのポイント
理想的な体型を手に入れるためには、次のページの3ポイントをチェックして、正しい方法でダイエットを行いましょう。
ポイント1 食事内容を見直す
ダイエット中であっても、欠食はせず1日3食バランスの良い食事を摂りましょう。食事を抜くと、体内のエネルギー供給が減少し、基礎代謝が低下するため、太りやすくなります。
1日3食バランス良く食べることを心がけた上で、以下のことも気を付けると良いでしょう。
- たんぱく質や食物繊維が豊富な食品を積極的に食べる
- よく噛んで食べる(一口30回ほど噛むのがおすすめ)
- 野菜→肉や魚→主食の順番で食べる
- 1日5~2リットルほど水分を飲む
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ポイント2 運動習慣をつける
健康的に痩せるためには、運動も大切です。
- 脂肪を燃焼する「有酸素運動」
- 筋力をアップさせる「筋トレ」
この両方を行いましょう。
運動は、継続することで効果がでます。しかし、忙しくてまとまった時間が取りにくく、続けられない方も多いでしょう。
そんな方は、「一駅分歩く」「なるべく階段を使う」など日常で運動量を増やす工夫をしましょう。
おすすめの運動│運動不足の人向け
おすすめの運動│運動習慣がある人向け
ポイント3 規則正しい生活を送る
- 毎日同じ時間帯に起床・就寝する
- 1日7~8時間を目安に睡眠時間を確保する
- ストレスを溜めない
- 過度なアルコール摂取を避ける
- 禁煙をする
以上のポイントを押さえて、規則正しい生活を送りましょう。
規則正しい生活を送ることで、睡眠の質の向上・疲れやストレスの軽減・運動効果の向上などが期待できるため、ダイエットにも良い影響が及びます。
ダイエットだけでなく、健康維持にも効果的なので、生活習慣を見直してみましょう。
この記事を監修したのは
新見正則医院 院長
新見正則 先生
1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて、英国オックスフォード大学医学博士取得。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。著書に、『フローチャート整形外科漢方薬』『しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通』など。
<Text:編集部>