インタビュー
2025年1月20日

「会社から与えられたノルマは目標じゃない」仕事のやる気が出ない…モチベーションを高める秘訣は?|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方”#5

プロテインやサプリメント、アパレル、フィットネスジムなどを展開する『VALX(バルクス)』は、フィットネス業界において急成長を続けている。ボディビル界レジェンド山本義徳氏とタッグを組み、3期連続の増収、約4年で1360%成長するなど、もっとも勢いのあるフィットネスブランドとなっている。

前回は、就活や転職に悩む人に向けて、熱い激励をお届けした。今回は「仕事へのやる気を出す考え方」について。

只⽯社長の人生ヒストリーは #1にて

──キーエンス入社、しかし仕事へのモチベーションは低下する一方。仕事へのやる気を出すコツとは。

編集部:努力が実って第一希望のキーエンスに入社。念願の会社に入社できたにもかかわらず、なぜ仕事へのモチベーションが落ちていったのでしょうか。

只石社長:単純です。入るのがゴールだったから。大学入学時と同じです。だから入社日の4月1日で完全にスイッチがオフになっちゃったんですよね。燃え尽き症候群というか。

年収1600万、成績がビリでも800万は貰える。800万も貰えれば全然いい、このキーエンスという会社で生きてさえいれば800万は貰えるんだから、努力をするのはもったいない、目立たないようにしようって。当時の僕にとって、まわりの先輩たちはあまり魅力的に見えていなかった。ああいう感じにはなりたくない、自分路線で行こうって。

初任給が67万だったのですが、それを全部引き出して、おしゃれなスリーピースを買いました。新卒で、朝それを着て(出社していました)。会社からすると素直じゃないし、言うことを聞かないし、伸びるわけがないですよね。前回語った、僕が採用したくない人間そのものでした。

編集部:まわりに、同じような感じの同僚はいましたか?

只石社長:いましたが、辞めていきましたね。3年で180人の新入社員は60人ぐらいしか残っていませんでした。

編集部:その時代を振り返ったとき、どうやったらやる気を出せたと思いますか?

只石社長:目標を持っておけばよかったと思います。絶対に一番になるって。もしキーエンス入社後に改めて頭を切り替えて、絶対にキーエンスで一番になるって目標を立てていたら、人生変わっていたと思います。

僕は人生において2つ後悔があって、ひとつは大学入試において東京大学という日本最高峰の学府を受けなかったこと。もうひとつは、キーエンスでトップを目指さなかったことです。だから僕は、二度と人生で後悔したくないから、今はてっぺんしか目指しません。

編集部:仕事のやる気が出ない社会人に向けてアドバイスをお願いします。

只石社長:目標を持つと言っても、“会社から与えられたノルマ”じゃダメなんですよね。人から与えられた、会社にとっての目標ではなくて、自分が心からこれだったら頑張ろうって思えるような、自分の内から発する“目標”です。ノルマ=目標じゃないんですよ。

次回へ続く

プロフィール

只石昌幸(ただいし・まさゆき)

群馬県出身。群馬県立高崎高校より、法政大学経営学部へ。株式会社キーエンスを経て、起業。2006年、株式会社レバレッジを創業。WEBサイトの受託からスタートさせるも、Blogブームに乗って、こだわり社長のニックネームで独自のグルメブログを展開し、自身のアメブロがアクセス数において、アメブロ日本一に。2016年より自社メディア『ダイエットコンシェルジュ』を開始、パーソナルジムのマッチングメディアとして日本最大規模に成長。2019年よりフィットネスブランド『VALX』を山本義徳先生とともに開始。ブランド開始から約5年で、ブランド累計販売数550万個突破、プロテインの累計販売食数は1億3千万食を突破する。35歳の時、趣味で始めた極真空手も優勝8回、世界シニア大会8位を受賞。X(旧Twitter)フォロワー数5.2万人。
・X公式アカウント  https://x.com/kodawari_ceo

<Text & Photo:編集部>