インタビュー
2025年1月27日
「(当時の自分とは)一緒に働きたくない」。全社員から一斉に辞表を出された話|連載:VALX 只⽯昌幸社長に聞く“ピンチの切り抜け方”#6 (2/3)
社員たちは僕に変わってほしかったと思うんですよ。だから、みんなで結託して一斉に退職届を出せば、僕が『ごめん、俺のせいだ、悪かった』と気づくと思ったんでしょうけれど、僕はそれでも気づかなかったんですよね。辞めたかったら辞めればいいじゃん、みたいな。
そんな中、ある社員から電話がかかってきたんです。『今の社長、間違ってると思います』って。その一言がめちゃくちゃ刺さったんですよね。
多分その社員は、誰かに言われたわけじゃなくて、ものすごく勇気を出して言ったんだと思うんです。普段はコミュニケーションがまったくできない、僕と目が合わせられないような社員から電話が来た。そこまで社員を困らせたんだって、涙が止まらなくなって。『本当に申し訳なかったです』って、人生で初めて土下座をしました。
ただひとつだけ懸念点だったのが、(業務を)全部僕がやっているけれど、社員たちに任せてもいけるのか? ということ。それを伝えたら、彼らは『いつも近くで社長の講演やコンサルのやり方を見ていたので、もしよかったらやらせてもらっていいですか?』って答えてくれた。おっかなびっくり任せてみたら、なんと社員たちのほうが売上を上げたんです。
そこから僕は任せるということを学び、経営マネジメントでそれを大事なポイントにしていきました。
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