ヘルス&メンタル
2025年10月6日

「指示が理解できない」「説明が長い」「ズレている」…職場における“大人の発達障害のサイン”と対処法 (2/4)

職場で起きがちなトラブルと対処法

ここではよくあるケーススタディを見ていきます。本人目線、周囲目線で見た対処法もお届けします。

指示を整理するのが難しく、仕事で誤解や行き違いが生じてしまうことがある

例: 上司から「この資料、来週までに仕上げて」と言われたが、期日を誤解して「週明け」ではなく「週末」までと勘違い。結果、納期に間に合わなかった

背景: ADHDやASDの特性で、曖昧な表現や複数の情報を整理するのが苦手

対処法
• 指示を受けたら、必ず「復唱」して確認する
• 期日や手順を具体的にメモに残す
• 上司や同僚は「数字」「期限」「手順」を具体的に伝える。「ここまでできたら報告して」と小さなゴールを設定する

単純な業務でも指示が理解できず、質問が多くなり時間がかかる

例: 会議用の資料をコピーするよう頼まれたが、「何部必要か」「両面印刷か」「どこに置けばよいか」など、細かく質問を繰り返してしまう。上司からは「簡単なことなのに」と苛立たれてしまった

背景:
• ASDの特性で、曖昧な表現や状況判断を伴う指示を理解しにくい
• ADHDの特性で、複数の情報を整理できず抜け漏れを恐れるため確認が増える
• 過去の失敗体験から「間違うくらいなら確認した方が安心」と考えている

対処法
指示は「部数・印刷方法・納品場所」など具体的に数字や条件をあらかじめ明示(メールなどにまとめるとよい)

タスクを同時に処理できず、仕事が滞りやすい

例: メール返信、電話対応、資料作成が重なり、どれから手をつけてよいかわからずパニックに。結果、どの業務も中途半端に

背景: ADHD特性で、マルチタスクの切り替えや優先順位づけが苦手

対処法
• タスクを「今すぐ/今日中/今週中」など3段階に分ける
• 付箋で見える化し、一つずつ終わらせる
• 上司は「まずこれから」と優先度を明示する

背景や細部まで詳しく話すため、情報量が多すぎて相手に伝わりにくい

例: 報告やメールが長くて要点がわからない。何を伝えたいのか不明

背景: ASDやLDで文章構成が苦手な場合や、ADHDで話が脱線する場合がある

対処法
• 「結論→理由→補足」の型を共有する
• メールや報告書はテンプレートを活用
• 本人に“要約力”を身につけさせるため、練習の場を設ける

臨機応変な対応やマニュアル外の業務では、混乱しやすいことがある

例:柔軟な発想や即興対応が必要な職場では力を発揮できない

背景:ASD傾向では“枠組みのある仕事”が得意だが、“正解が一つでない業務”は混乱しやすい。

対処法
• 単純明快なルールのある作業を中心に任せる
• 臨機応変さが必要な仕事は、チームで分担する
• 本人の「強み」を見極め、役割を工夫する

業務中やミーティングで静かにできない、うろうろすることが多くなる


• 社内ミーティングの最中に席を立って歩き回り、同僚から「落ち着きがない」と思われてしまった
• デスクワーク中に何度も席を立ち、資料を取りに行ったり、他部署に顔を出したりして集中できない

背景
• ADHDの特性で「じっとしていること」が難しく、体を動かさずに長時間過ごすと強いストレスを感じる
• 衝動性から「今思いついたことをすぐ確認しに行く」など行動に出やすい
• ASD傾向がある場合、会議室の環境(音・照明・空調など)が過敏に感じられ、落ち着かない原因になることもある

対処法
• 本人には「会議の途中でどうしても動きたいときは、一言断ってから離席する」などルールを設ける
• 会議は必要以上に長引かせず、短時間+休憩を挟む 形式にする
• 業務中は「立って作業できるデスク」や「歩きながら考える時間」を取り入れると集中が続きやすい
• 周囲は「落ち着きのなさ=やる気がない」ではなく、特性の一部と理解する

次:場にそぐわない発言をしてしまう

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