「指示が理解できない」「説明が長い」「ズレている」…職場における“大人の発達障害のサイン”と対処法 (3/4)
場にそぐわない発言をしてしまう
例
• 同僚のプレゼン後に「思ったより上手だったね」と声をかけたが、相手は「下に見られていたのか」と不快に感じた
• 後輩に「前よりマシになったね」とフィードバックをしたところ、本人は落ち込んでしまった背景
• ASDの特性で「自分が思ったことを率直に表現する」ため、悪気なくストレートな言葉を使ってしまう
• 言葉のニュアンスや相手の受け取り方を想像するのが難しく、「余計な一言」になりやすい
• ADHDの衝動性が加わると、場面に合わない言葉が瞬間的に口から出てしまう対処法
• 本人は「褒めるときはポジティブな言葉だけにする」「比較する表現は使わない」など具体的なルールを持つ
• 周囲は「悪意のある発言ではない」と理解したうえで、必要なら「こういう表現の方が伝わるよ」とフィードバックする
• チーム内で「率直さを強みとして活かす場」と「オブラートが必要な場」を整理して、適切な場にアサインする
会話で盛り上げようとして“自慢風”や“自分の話ばかり”になってしまう
例
• 同僚が「最近ジムに通い始めた」と言ったときに、「自分は週5で筋トレしてベンチプレス○kg上げてる」と返してしまい、相手が引いてしまった。
• 飲み会の席で「○○業界に知り合いがいる」「有名人とつながりがある」と繰り返し話し、同僚から「マウントを取られている」と思われてしまった。背景
• 「共通の経験や話題で距離を縮めたい」「強みを知ってほしい」と前向きな気持ちだが、周囲の温度感とずれてしまう
• ADHDの特性で、相手の話を最後まで待てず、自分のエピソードを勢いで挟んでしまう対処法
• 本人は「相手が話し終わるまで待つ」「相手の話に質問を返してから自分の経験を補足する」ことを意識する
• 会話では「すごいね」「面白そう」と共感を先に示し、自分の話は短めにする
• 周囲は「マウントではなく共感表現の一種」と理解し、会話の流れを自然に切り替える工夫をする
• 職場では、本人が強みを発揮できる“発表の場”や“知識を披露できる役割”を用意することで、雑談での“自慢”が減りやすい
関連記事:つい自慢やマウントをしてしまう人は、何が目的なのか?その心理を探ると見えてくる“意外なもの”とは
書類作成や数値処理で繰り返しミスをしてしまう
例:
請求書の金額を入力ミスし、取引先に迷惑がかかった
何度も誤字脱字をしてしまう背景: 学習障害(LD)による読み書きや計算の苦手さ
対処法
• チェックリストを作り、必ず複数回確認する
• ミスが出やすい業務はツール(自動計算シートなど)を活用
• チームでダブルチェックの仕組みを整える
“性格の問題”と決めつけてしまうと、本人はさらに自信をなくしてしまいます。特性を理解し、具体的な指示や環境調整を行うことで、チーム全体のパフォーマンスが安定しやすくなります。
状況に応じて、職場として専門職等の心理的支援を受けることのできる体制を整えることも有効です。
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