
「父親からの愛情不足」で育った男性の特徴とは。大人になってどんな問題が起きやすい? (3/3)
自分の「理想像」に気づく方法
あなたがこれまでハマったものは何ですか?
マンガや映画、歴史上の人物。身近な存在であれば、先生やコーチ、上司など、自分の心が惹かれた人物がいたのであれば、それがあなたの理想像です。
あなたにどのような影響を与えたのか、自分に問いかける時間を作ってみてください。紙に書き出すのもおすすめです。
あなたの生い立ちは子育てに反映されます
あなたが経験したことを我が子にも経験してほしいでしょうか?
あなたが抱え、目を逸らしてきた痛みや悲しみや怒りなどの感情は、我が子を通して再体験させられます。子育てを通して過去の感情に向き合うことができれば、父親との葛藤を乗り越え、克服していくことができます。家族内で繰り返している負の連鎖を断ち切るのが“今のあなた”である──かっこいいですよね。
しかし、再体験させられている感情が自分のものであると気づかないままだと、子育てとして子どもにその気持ちを押し付けてしまい、子どももあなたと同じような生い立ちを辿るようになってしまいます。
子育ては、自分を見つめ直す機会になります。それは、パートナーである妻も同じです。夫婦では立ち行かなくなる局面も多々出てきます。
でも、それは当然のこと。夫婦だけで頑張ろうとせず、子育ての専門家、心の専門家との定期的なカウンセリングを受けながら、次々に出てくる課題を解決していきましょう。
老いた父親とどう付き合うか
介護の問題や亡くなった後のことなど、最近では終活を勧める風潮が高まっています。
事前に話し合えるためには、「話し合える関係性」でないと、話し合いのたびに喧嘩になったり、決裂したり。世話してもらっていないのに、世話しないといけない負担感や嫌悪感など、親の老いには、押し殺していた幼な心が刺激されます。
親を変えることはできませんが、あなたが親を克服することで、親にとって納得の最期を迎えてもらえるようサポートができるようになります。
老いた父親に何とも言えない感情を感じたときには、静かに深呼吸をして、支えてくれた人々の顔を思い出しましょう。父親以外の人に支えられ、指導してもらい、培ってきた社会性を糧に「父親不足」を克服した自分を認めることができると、自己肯定感の変化を実感できます。
監修者プロフィール
鎌田怜那(かまだ・れいな)
一般社団法人マミリア代表理事。臨床心理士、公認心理師。
【所属学会・協会】
・日本臨床心理士会
・日本公認心理師協会
・日本心理臨床学会
・日本アタッチメント育児協会
公式サイト https://mamilia.jp/
<Edit:MELOS編集部>