
「母親からの愛情不足で育った男性」に見られる特徴とは?精神科医監修 (1/4)
自分に自信が持てない、人間関係が不安定、恋愛が長続きしない、女性への偏った思考……こうした悩みを抱える男性の中には、幼少期に母親から十分な愛情を受け取れなかった経験が影響しているケースもあります。
母親の愛情は、安心感や自己肯定感を育む大きな土台。これが不足したまま大人になると、無意識のうちに思考や行動に歪みが表れることがあります。神谷町カリスメンタルクリニック院長の松澤美愛先生監修のもと、見ていきましょう。
子どもにとっての母親の心理的役割とは
父親は社会性や外の世界とのつながりを学ばせる存在である一方、母親は「無条件の愛情」を注ぎ、子どもに安心感を与える役割が大きいとされています。
子どもは母親にしがみついたり甘えたりすることで不安や恐怖に対処するようになります。その中で自分が守られ支えられることを実感し、心を成長させていくのです。
このような母親との関係性が作られないと、子供は不安なときに自分を安心させる術をもたないままに成長するので不安に耐える力が育ちません。
両親それぞれの影響がありますが、母親からの愛情が不足すると「自分は受け入れられていないのでは」という不安が心に残り、成長後の人間関係にも影響することがあります。
もちろん、母親だけが子どもを支えるわけではなく、父親や祖父母、社会全体が子どもの成長を支えていきます。ただし母親との関わりは、もっとも身近で長い時間をともにするケースが多く、その影響力が特に大きいといわれています。
なお、ここでいう母親は「主たる養育者」という意味であり、必ずしも実母でなければならないということではありません。
「母親からの愛情を感じずに育った男性」は、こんな特徴が出やすい
個人差はありますが、母親から十分な愛情を得られなかった男性には、いくつか傾向が見られます。
自己肯定感が低い
まず、自己肯定感が低く「自分には価値がないのでは」と感じやすい点です。褒められても素直に受け入れられず、失敗を過度に恐れる姿勢につながります。
人間関係の距離感が難しい
また、人との関係では安心感を得にくいため、恋人や友人に対して過剰に依存したり、逆に距離を置いて心を閉ざしてしまったりと極端な関わり方をすることがあります。
感情を表現するのが苦手
感情を素直に表現するのも苦手で、寂しさや不安を隠すために怒りや無関心を装うケースも少なくありません。
その一方で、強い承認欲求を抱え、仕事やSNSなどで「認められたい」という気持ちに突き動かされることもあります。
こうした背景から、常に孤独感を抱えやすく、周囲に人がいても「自分は理解されていない」と感じることが多いのが特徴です。
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