「母親からの愛情不足」で育った大人には、どんな特徴がある?男女別に解説 (2/3)
子どもにとっての母親の心理的役割とは
父親は社会性や外の世界とのつながりを学ばせる存在である一方、母親は「無条件の愛情」を注ぎ、子どもに安心感を与える役割が大きいとされています。
子どもは母親にしがみついたり甘えたりすることで不安や恐怖に対処するようになります。その中で自分が守られ支えられることを実感し、心を成長させていくのです。
このような母親との関係性が作られないと、子供は不安なときに自分を安心させる術をもたないままに成長するので不安に耐える力が育ちません。

両親それぞれの影響がありますが、母親からの愛情が不足すると「自分は受け入れられていないのでは」という不安が心に残り、成長後の人間関係にも影響することがあります。
もちろん、母親だけが子どもを支えるわけではなく、父親や祖父母、社会全体が子どもの成長を支えていきます。ただし母親との関わりは、もっとも身近で長い時間をともにするケースが多く、その影響力が特に大きいといわれています。
なお、ここでいう母親は「主たる養育者」という意味であり、必ずしも実母でなければならないということではありません。
「母親からの愛情を感じずに育った男性」は、こんな特徴が出やすい
個人差はありますが、母親から十分な愛情を得られなかった男性には、いくつか傾向が見られます。
自己肯定感が低い
まず、自己肯定感が低く「自分には価値がないのでは」と感じやすい点です。褒められても素直に受け入れられず、失敗を過度に恐れる姿勢につながります。
人間関係の距離感が難しい
また、人との関係では安心感を得にくいため、恋人や友人に対して過剰に依存したり、逆に距離を置いて心を閉ざしてしまったりと極端な関わり方をすることがあります。
感情を表現するのが苦手
感情を素直に表現するのも苦手で、寂しさや不安を隠すために怒りや無関心を装うケースも少なくありません。
その一方で、強い承認欲求を抱え、仕事やSNSなどで「認められたい」という気持ちに突き動かされることもあります。
こうした背景から、常に孤独感を抱えやすく、周囲に人がいても「自分は理解されていない」と感じることが多いのが特徴です。
母親からの愛情を感じずに育つと、大人になってこんな問題行動が起きやすい
大人になってからは、愛情不足で育ったことによる具体的な問題行動として表れることがあります。
なお、ここでいう「問題行動」は“性格の欠陥”ではなく、安心感を得られなかった心が、自分を守るためにとった行動が形を変えて現れていると考えます。
恋愛での依存や、深い関係から逃げる
安心感の基盤が弱いと、恋人に強く依存したり、相手を束縛してしまう傾向が見られます。
逆に「傷つくくらいなら距離を取ろう」として、深い関わりを避ける人もいます。どちらも「見捨てられたくない」という不安が根底にあります。
承認欲求が非常に強くなる
「自分は認められたい」という気持ちが強くなり、仕事やSNSで成果や評価を過度に追い求めてしまうことがあります。
一時的に安心できても、すぐにまた次の評価を求めるため、心が落ち着きにくくなるのが特徴です。
感情を適切に表現できず人間関係を構築しにくい
寂しさや不安を言葉で伝えるのが苦手で、代わりに怒りや無関心といった形で表れてしまうことがあります。
本当は「分かってほしい」という気持ちがあるのに、それを伝えられず人間関係がぎくしゃくしてしまうケースです。
お酒やギャンブルなどに頼りやすい
心の空虚感や不安を埋めるために、お酒やギャンブル、ゲームなどにのめり込みやすい人もいます。短い間は気がまぎれますが、繰り返すことで自己嫌悪や生活の乱れにつながることもあります。
度を越えて頑張りすぎてしまう
「失敗したら見放されるのでは」という不安から、完璧を目指しすぎてしまうこともあります。その結果、頑張りすぎて疲れ果ててしまう、いわゆる燃え尽きの状態に陥りやすいのです。
体の不調が多い
ストレスや不安をうまく表現できない場合、体に不調として現れることもあります。たとえば、寝つきが悪くなる、胃腸の調子を崩す、頭痛が増えるなど、心の問題が体のサインとして出るケースです。
次:母親の愛情不足で育った女性に見られやすい11の特徴

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