「モラハラする父親がいた家庭」で育った人の特徴とは。大人になってどんな影響が出やすい? (1/3)
「父親が怖かった」「家ではいつも緊張していた」──そんな子ども時代を過ごした人の中には、大人になっても人間関係に生きづらさを感じている人が少なくありません。
たとえば、他人の顔色ばかりうかがってしまう、自分の意見を言うのが怖い、親しい人との距離感がわからない……。それはもしかすると、モラハラ父親のもとで育った影響かもしれません。
親からの精神的な支配や否定が日常的にあった家庭、いわゆるモラハラ家庭や機能不全家族では、子どもの心の発達や自己肯定感に大きな影響が及ぶことがあります。
そうした環境で育った人には、どんな特徴や心理パターンが見られるのでしょうか。一般社団法人マミリア代表理事・臨床心理士、公認心理師の鎌田怜那さん監修のもと、お届けします。
モラハラ父親とはどんなタイプ?
「モラハラ父親」とは、言葉や態度で家族をコントロールし、精神的に傷つける言動を繰り返すタイプの父親のことです。
暴力(DV)のような身体的な攻撃ではなく、見えにくい“心への暴力”が特徴です。たとえば以下のような言動が多く見られます。

完璧主義で支配的
自分の考えを正しいと信じ、家族にも従わせようとします。「失敗=悪」と捉える傾向があり、些細なことでも厳しく責めがちです。
外では優しい、家では威圧的
外では評判が良いのに、家の中では不機嫌で怖い態度をとるタイプ。家族は相談もしづらく、孤立しやすくなります。
否定や無視でコントロール
「どうせお前には無理」などの否定や、無視・ため息といった態度で家族の自尊心を削ります。
感情の起伏が激しい
機嫌が不安定で、何に怒るかわからないタイプ。家族は常に顔色をうかがい、緊張状態で過ごすようになります。
過干渉で“善意”の押しつけをする
「子どものためを思って」と言いながら、進路・交友関係・考え方などすべてに干渉してくるタイプ。一見愛情深く見えても、本人の意思を無視した支配です。
モラハラ家庭で育った人に見られやすい7つの特徴
モラハラを行う父親は、暴力こそないものの、言葉や態度で家族の心をじわじわと追い込む存在。
家庭の中で「否定・威圧・無視・過干渉」などが繰り返されていた場合は、その影響が大人になった今も心に残っている可能性があります。
自己肯定感が低い
小さな頃から否定されたり、価値を下げられる発言を受けていたため、「自分には価値がない」「認められないのが当たり前」と感じやすい
他人の顔色を過剰にうかがう
家庭内で「地雷を踏まないように」生きてきたため、空気を読む能力は高いが、自分の意見を抑え込みがち
怒りや不安などの感情をうまく出せない
感情を出すと責められる、無視された経験から、怒りや悲しみを内側に溜め込むクセがついている。一方で突然爆発してしまうことも
人間関係で「支配と従属」のパターンになりやすい
親からのコントロールに慣れていると、大人になっても自分が支配される側になる、または相手を無意識にコントロールする関係に陥りやすい
「自分さえ我慢すれば」と思いやすい
家庭内で父親の機嫌を最優先していた名残で、パートナーや友人関係でも自分の気持ちを後回しにしやすい
人を信じることが怖い/苦手
モラハラ的な言動がある家庭では、「信じた相手に傷つけられる」経験が繰り返されるため、大人になっても、深い関係になることにブレーキがかかる
「自分が悪い」とすぐに思ってしまう
何か問題が起きたときに、反射的に「私が悪いのかも」と考えるクセがある。罪悪感を抱えやすく、責任を過剰に引き受ける
次:なぜこうした特徴が出てくる? 大人になってから現れる“心の後遺症”



「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか?







