2017年11月10日

実際にウォールに登ってゴールを目指すのだ!【ボルダリング体験レポ〜初心者が一人前になるまで〜 #3】

 初心者が一人前のボルダラーになるまでの軌跡を追った本企画。

 第1回では基礎知識と準備の仕方を、第2回ではホールドの握り方を学びましたが、第3回からは実際にウォールに登る実践に入ります!

 取材にご協力いただいたのは、クライミングジムRISEさん。初心者が登るときにどんなことを注意すべきなのでしょうか? ポイントは準備、確認そして無理をしないこと、です。

▶クライミングを体験! ボルダリング教室を見てみる

さぁ、はじめよう! …とその前に軽くストレッチを

 それではさっそくボルダリングに取りかかりましょう! と、その前に軽いストレッチを忘れずに。ボルダリングは柔軟性があるとよりパフォーマンスが上がるスポーツであるため、柔軟性が命綱。またストレッチをすることで血流やリンパの流れも良くなりますので、ごく簡単で良いので足や腕、腹筋、背筋周りの筋肉は伸び縮みさせて「運動ができる」という“予備情報”を筋肉に入れておいた方がいいでしょう。

余裕を持ってやることが大切

 ストレッチを終えたら、スタッフさんから注意点の説明があります。ボルダリングスタジオにはいくつかウォールがありますが、基本的にそのウォールに登れるのは1人だけ。例えば2人同時に隣り合わせに登ると、手や足が重なり、2人一緒に落下するなど、思わぬ事故にもつながってしまいます。そして、登っている人の下にも絶対入らないようにしましょう。バランスを崩した人がいつ落ちてこないとも限りません。

 体も時間も空間にも“余裕”を持つことが安全に楽しめる第一歩ですね。

▲登る前にルートを確認しよう!

 次に、登る前にウォール全体を眺め、登るルートを頭に入れておくといいでしょう。たいてい10~9級という優しい課題の場合は、単純に下から上にまっすぐ伸びたルートになっているで、それほど難しいものではありません。しかし、ウォールにはさまざまなホールドが混在しているので、しっかりとそのルート(ホールドの色など)を頭に入れておくと、よりスムーズに登ることができます。

しっかりとホールドを握ってゴールへ。コースを制覇したら笑顔に

 それでは登っていきましょう。まずは滑り止めのチョークを手に馴染ませます。

 ウォールの前に立ったらスタートのホールドを両手でしっかり持ちます。

 初心者向けのコースのホールドは「ガバ」っと持てる優しいホールドが設定されていますので掴みづらいとか掴めないという心配はまったくありません。掴んだら体重を後ろ側にかけてみる(自重を感じてみる)と、よりしっかりとホールドを掴めることが確認できると思います。

 次に、足を下側のホールドに乗せます。

 これがスタートの合図となります。ここで注意点があります。この状況から足を外して地面に着いてしまうと“スタート解除”となってしまいますので、スタート後は足を地面に着けないようにしましょう。

 続いてコースを進んでいきましょう。例えば「B」のコースなら「B」のテープが貼られたホールドを次々と手で掴んでいくだけです。

▲「B」のコースのなら「B」のテープが貼られたホールドを掴んで進んでいく

 初心者の方は最初は簡単なコースに挑戦することになるので、スススーッと上まで登れてしまうと思います。最後のホールドには「G」(ゴール)マークが付いています。そのホールドを「両手で2秒以上」掴んでいれば、「人生初のボルダリング課題制覇」となります。

 降りるときは、どれを掴んでも良いので、降りやすいホールドを掴みながら、下に降りれば終了です。ほとんど人はあまりに簡単に登れてしまうのでビックリしてしまうほどです。でも、この「はじめの一歩」をクリアした人は皆、「達成感」を味わい、笑顔になっているんですよね。これがボルダリングの魅力なんですよね。そして、すぐに次の課題を登りたくなっている自分がいます。

▲コースを終えるとこの笑顔に!

自分がクリアできる課題から制覇

 簡単なコースを達成したあとは、だんだんと難しいコースに挑戦していけばいいでしょう。RISEさんでは「A」「B」「C」…の順番に難易度が上がるコースが用意されているので、どんどんチャレンジしていけば上達することができます。

 また、人それぞれ体格が違うため、「A」は難しいけど「B」なら簡単、というケースも出てきます。これは難易度で言えば「A」<「B」という単純なものではないので、いわゆる“目安”として考えてもらえるといいでしょう。まずは自分がクリアできそうなコースに挑戦し、スキルを上げていくのが上達の早道となります。

体や筋肉が慣れるまでは無理せずに

 最初はあまりオーバーペースにしない方がよいです。最初は簡単に登れてしまうため、うれしくなって「次、次」とどんどん制覇したくなってしまいます。長い間体を動かしていない人が急にやると、筋肉を総動員するボルダリングですので、思わぬところが痛み出すことも。

 また日頃からスポーツをしている人も初めてボルダリングをやった翌日には筋肉痛になった方もいます。終わったあとのストレッチもは有効だと思いますので、ボルダリングの疲労が溜まった筋肉をほぐすことをお忘れなく。

スポーツの秋にボルダリングデビューを

 ボルダリングは誰でも気軽に第一歩を踏み出せるスポーツ。若い方だけでなくシニアの方もどんどんやる人が増えていると聞きます。全国にどんどんスタジオが出来ていますし、天候にも左右されないところも魅力です。皆さんもこのスポーツの秋にはぜひ、「ボルダリングデビュー」してほしいと思います。次回はもう1段階難しい8~7級の課題に挑戦します。楽しみにしていてください。

[取材協力]
【クライミングジム RISE(ライズ)】
 ・営業時間:10~24時(年中無休)。
・住所:横浜市戸塚区上倉田町479-2 東横ビル上倉田B1(JR東海道線・横須賀線、横浜市営地下鉄戸塚駅東口下車5分)
・電話:045-443-6009
 ・料金:会員登録料 1,500円、施設利用料 1,800円(一般)、大学生・専門学校・シニア 1,500円、高校生以下 1,000円(以上、すべて税別)。その他詳細は直接お問い合わせください。
 ・専用ホームページ:http://www.climbrise.com/

▶クライミングを体験! ボルダリング教室を見てみる

<Text&Photo : 青木秀道(H14)>