冬の青空の下、障害物を気にせず全力で走るのは「最高のストレス解消法」かもしれない【取材レポ】
ランニング、マラソン、リレー大会。走ることが日常的ではない人たちにとって、どれもハードルが高いイベントである。それどころか反射的に「走るなんてムリ!」と思考がシャットダウンしたり、あるいは「興味ない」とスルーされることも。
本記事を読んでいるということは少なからず走ることに関心がある人だと思うが、実は“走る系の大会・イベント”は、走らない人も楽しめるってことを、お伝えしたいのだ。
ランニングイベントで“非日常”を味わう
2023年12月23日(土)に『BOOSTランニングフェスタin等々力陸上競技場』が開催された。株式会社ブーストが主催するリレーマラソン大会だ。会社対抗リレー、親子ランのほか、エンジョイリレーマラソン(ハーフ・フル)のカテゴリーが用意され、それぞれ大いに盛り上がったのである。
選手がモチベーション全開なのは分かる。走るのが大好きな人たちだ。しかもクリスマス直前。12月の寒空、タンクトップ短パンで走って「いやー暑いですね!」とコメントする陽気さ。走っているときも、そうでないときもドーパミンが出ていそうである。
意外だったのが、応援に駆けつけた家族や友人、同僚も非常に楽しそうにしていること。走るのを見て声援を送るだけではない“何らかの楽しさ”が、もしかするとあるのかもしれない。
結論を先に述べると、「走ってないのに、普段味わうことがない類の爽快感を感じた」のだが、その流れを大会レポートとともにお届けしたい。
競技場へ。早くも建物観光の気分
この日のイベントは、神奈川県川崎市にある等々力陸上競技場で行われた。
駅から離れた場所にあり、周辺も自然豊かなエリア。等々力緑地をはじめ、すぐそばには多摩川や、都会のオアシスと呼ばれる等々力渓谷がある。空気が綺麗で川のせせらぎに癒される。植物なんかも豊富で、森林浴気分が楽しめるのだから一種の旅行気分になりそうだ。
ちなみに本イベントは国立競技場や味の素スタジアムなどでも開催されている。こうした会場は足を運ぶ機会があまりないため、まず会場入りするだけで非日常感がある。
さあ建物内へ。
協賛のアミノバイタル®︎がいたるところに
競技場はかなり広い。ここを走るなんて緊張しそうだが、ランナーの皆さんは慣れっこだろうか。
こちらは観客席。家族や子ども連れの親子、友人、同僚、ラン仲間と多くの人がざわめいている。
川崎フロンターレマスコットキャラクター、ふろん太くんも応援に駆けつけた。大人も子どもも集まってくる。一緒に写真撮影やハイタッチなどをしてくれる。
ミズノブースも設置されていた。アスファルト上で試し履きできるのはありがたい。
開会式が始まる
ゲストには、MELOSでもおなじみのフィットネスランニングトレーナー・鳥光健仁さんや、トライアスロントレーナー・中村美穂さんらも登場。「怪我をしないよう体を温めて、リカバリーもしっかりとしていただければ」とエールを述べた。
もうすぐ会社対抗リレー。チームで集まってミーティングを行う光景があちこちで見られた。
東急建設チーム
小田急電鉄チーム。頭に被っているのは新キャラクター『もころん』
誕生したばかりなのでアピール中だそう
応援に来た上司・部下・同僚たちの挨拶の声が、そこかしこで聞こえてくる。家族で応援に来て、子どもに「パパあそこにいるよ」と声をかけているシーンも。
会社対抗リレーが始まった
スタート前の音楽に合わせてテンションアップ
走りだすランナー。天気がいい。雲ひとつない青空の下、信号などに遮られない広い場所で思いきり走るのは、とても気持ちがよさそうだ。
地上で見守る応援メンバー
チームメンバーもドキドキ
タスキが繋がる
もうすぐ!
笑顔で走る人、真剣な表情で走る人、キツイけれどやってやる! という顔で走る人などさまざま。年齢性別関係なく参加している。
大きい声で応援し、テンション高く盛り上がる一体感は、アーティストのライブや音楽フェスティバルに似た高揚感を感じる。
冬でも水分補給はこまめに
そしてゴール。続々とテープが切られていく。
完走後、何チームかにコメントをいただいた。「気持ちよかった、来年も参加したい」、「実は昨日も走ったのですが今日も怪我なくできてよかった」など、エンジョイした気持ちを述べる人ばかり。
クリスマス衣装で参加した人も。いわく「走ったから全然寒くない」だそう
ゴールドの全身タイツ(トナカイ衣装)で走りきった人も。「走りやすいです。風の抵抗を受けないんですよ」とのこと
1~3位の表彰式では、各チームに賞状が送られた。
会社対抗リレー(一般の部)第三位の『灯RC/博多焼き鳥 灯 武蔵小杉』チーム
会社対抗リレー(一般の部)準優勝の『車両部Aチーム』
会社対抗リレー(一般の部)優勝は『産工機』チーム
会場グルメも楽しみのひとつ
走る人の応援はもちろんのこと、会場の屋台ランチも楽しみのひとつだ。今回はキッチンカーが複数あり、温かいクラムチャウダーや焼きそばなどをはじめ、ホットドッグ、ポップコーンなどの“観戦フード”も勢ぞろい。
午後からは親子ラン、エンジョイリレーマラソン
親子ランに参加する人たち。ランニングウェアではなく動きやすい服装で参加する人もちらほら。
競技場+場外で1周1km。これが思ったより広い。運動不足のオトナを置いて子どもたちが駆けていく。
早いね!
楽しい!
ゴール後は、応援してくれていた家族のもとへ。スマートフォンで写真や記録を確認する姿も多く見られた。
走り終わり、地面にへたり込む親の姿も。「運動不足で思ったより走れなかった」と息も絶え絶え。一方では「楽しかった」「来年も参加したい」と意気込む声も多かった。
続いてはエンジョイリレーマラソン。障害物がないため、ひたすら無心で走り込める。熱中症が多い夏のマラソン練習にも周回コースはオススメだ。
念入りにストレッチ
開放的な場所で、活気あるエネルギーを浴びる爽快感
走っていないにもかかわらず、不思議と爽快感を得ることができた。天気もよく、広々とした場所で、活気ある人々の生命エネルギーのようなものを浴びた気がする。
「天気のいい日、なにも考えず全力で走るって、気持ちがよさそうだ」。情報過多で考えごとも多い現代社会において、いいストレス解消法なのではないか。リラックスというより“発散したい”とき、特に向いていると感じる。
総勢2,500名の参加者で盛り上がった『BOOSTランニングフェスタin等々力陸上競技場』。
次回は国立競技場で、2024年2月4日(日)に開催される。走る人も走らない人も、両者楽しめると思うのだが、いかがだろうか。
BOOSTランニングフェスタ in 国立競技場
開催日:2024年2月4日(日)
開催会場:国立競技場(160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町10-1)
レギュレーション:
・ハーフリレーマラソン(21km)
・フルリレーマラソン(42km)
・ナイトマラソン(1.4kmエンジョイ/2.8kmエンジョイ/5.6km/9.8km)
公式サイト:https://boost-inc.jp/kokuritsu/
<Text & Photo:編集部>