なぜ大阪桐蔭は創部4年で全国制覇できたのか?その理由を書籍化した一冊 (2/2)
日本一チームへと進化するために必要なこと
「目立ちたがり屋」の精神を歓迎する
準々決勝の帝京戦では、今も語り継がれるスーパープレーが生まれました。3対2でリードした6回表、帝京のバッターが打った瞬間にレフトスタンドに入りそうな大飛球を放ちました。
しかし、レフトからの強烈な向かい風にボールが押し戻されてくると、レフトの井上がラッキーゾーンによじ登るようにして、この打球を好捕。ホームランを奪い取る超美技で、同点のピンチを防いでくれました。
当然ですが、練習では一度もやったことがないプレーです。飛球を懸命に追っていく中で、体が無意識に反応していたのでしょう。1球に対する執念や集中力があったからこその、ファインプレーだったと思います。
なぜ、あの大舞台であれだけのプレーができたのか。
根底にあるのは、「日本一になりたい」という大目標とともに、「おれが活躍して、お立ち台に上がる!」という目立ちたがり屋の精神だと思います。
チームが日本一になるために戦っているのは間違いないですが、それだけでなく、「自分も活躍して目立ちたい」と思っていたのです。その気持ちがあったからこそ、彼らは頂点をつかめたのだと思います。
書籍情報
タイトル:日本一チームのつくり方
なぜ、大阪桐蔭は創部4 年で全国制覇ができたのか
著者:森岡正晃
ページ数: 248 ページISBN:978 4 86667 656 2
価格 1,650 円 ( 税込)
発行日:2024 年1 月16 日
目次
プロローグ ゼロから掴み取った創部4年での日本一
第1章 日本一チームをつくるなら「ゼロから」が一番の近道
第2章 強いチームをつくるリーダーの心得
第3章 個を伸ばしチーム力を上げる人材育成のルール
第4章 日本一チームへと進化するために必要なこと
エピローグ 今も昔も日本一に大事なことは変わらない
森岡正晃(もりおか・まさあき)
Office AKI晃代表。PL 学園高校出身。高校時代は野球部主将を務め、近畿大学に進学。大学では硬式野球部の学生コーチも務める。また、PL 時代の恩師・鶴岡泰(のちの山本泰)氏の助言で、中学校・高等学校教論一種免許を取得。大学卒業後は、教員となり、鶴岡氏が監督を務める大阪産業大学附属高校野球部でコーチとして高校野球に携る。大阪桐蔭高校では、野球部の初代部長に就任。自らリクルートした選手を一から育て、創部4年目で第63 回選抜高等学校野球大会ベスト8 、第73 回全国高等学校野球選手権大会で全国制覇を果たした。その後は、履正社国際医療スポーツ専門学校野球部のGM兼監督、大阪学院大学野球部総監督などを歴任。現在は、行政や公的機関が主催するスポーツイベントのアドバイザーやベースボールアドバイザーとして小中高の学生に野球の指導を行う傍ら、教員生活35 年以上の経験から保護司(法務省委託)として大阪府旭警察署青少年補導員を務めるなど社会貢献活動も行っている。
<Edit:編集部>