2018年10月2日

ランニングで札幌は活性化できるか?「コバルドオリ」にランナー応援サービスができた理由 (2/2)

「ふと外を眺めていると、仲通り付近でも走っている方が意外とたくさんいるんです。最近は “ランニング部”を持つ企業もあります。ですから走るための拠点になるような場所があれば、さらにランナーが集まってくれるのではないかと思ったんです。エリアマネジメントに取り組むうえで、促進すべき事柄はとてもたくさんあります。賑わいを作ったり、人材を育成したり、あるいは安全面を整備したり。弊社としては、札幌駅前通地区を働きやすく魅力的な地域にするためにはコミュニティが重要と考えており、注目度も人気も高いランニングは、コミュニティ作りにピッタリのジャンルなのではと考えました」(赤坂さん)

 北海道内ではマラソン大会も増えている反面、ランステのような施設は稀少。健康を促進し、ランニングを通じて交流を生み出せる場として、『コバル計画』のランステ利用に着想されたのだそうです。ランナーとの繋がりなどなく、手探りで始めた取り組み。オフィスパーソンを中心に、少しずつ利用者が増えています。

「だいたい18時以降の利用者が中心ですね。飲食店が隣接しているので、走った後に仲間と飲みに行く! なんていうこともできます。仕事とは違った新しいコミュニティが、コバル計画で生まれたらうれしいですね。その中のフックとなる1つが、今回取り組んでいるランニングです」(赤坂さん)

 ランナー応援サービスは2018年8月からスタート。現状では寒くなる10月までの期間限定運営で、来年については未定とのこと。しかし短い期間でも、ランニングを軸とした地域活性には手ごたえを感じているようです。

 ランニングを通じて、札幌の街がどのように変化していくのか。ぜひとも注目してみてください。

・コバルドオリ
https://www.cobarstreet.com/

関連記事:札幌の街ランおすすめコースを走ってみた。期間限定で平日夜はランステに、「コバル計画」活用も

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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