コロナ禍におけるランニングイベント運営の工夫とは。宮城県・作並トレイルツアーの場合 (2/3)
懇親会
1日目の大会後、宿泊者で開催された懇親会。おいしい食事につい会話も弾みますが、飛沫を意識して前の人とはかなり距離が取られていました。また、隣りの方とも声は届く範囲ながら、一定の距離が保たれています。
旅館スタッフの方も感染対策は万全。マスクを着用したうえ、さらにフェイスシールドまで着用して対応していました。
また、2日目も終了後には軽食が提供され、参加者は温泉に入って疲れを癒し、おいしいおにぎりと芋の子汁でお腹を満たしていました。この際にもスタッフはマスク着用を徹底し、取り分けにはトングを用意。器に直接触れる方はゴム手袋を使用しています。参加者も食事時を除き、しっかりマスク着用での対応です。
宿泊
1日目に参加した方の後泊、および2日目に参加する方の前泊は、会場である岩松旅館で。通常であれば、イベントの宿泊は相部屋で対応することが多いそうですが、今回は客室内における感染対策として、なんと全員にシングルユースで個室が提供されました。かといって、その分だけ参加費が高いというわけではありません。あくまで旅館側の配慮であり、これだけ徹底されていれば、安心してイベントに参加できるのではないでしょうか。
作並トレイルツアーに限らず、各地で開催に踏みきっているイベントは、どれも運営側が考え抜いた感染対策を講じて取り組んでいます。もちろん、人によってはまだ不安が拭えないこともあるでしょう。しかしこうした実態が分かれば、ある程度はコロナ禍でもイベント参加のハードルが下がるかもしれません。
見事な紅葉に囲まれ笑顔の作並トレイルツアー
作並トレイルツアーがどんなイベントだったのか、走りながら目にしたすばらしい景色を中心に紹介します。
1日目:面白山
1日目は面白山を中心とした約12kmのコース。スタート地点で、すでに標高440mです。累積標高は1300m程度ということで、距離を考えるとなかなかタフな道のり。しかし、全員の進み具合に合わせて無理なく走れるため、楽しめました。
上りは走れないほどの急こう配ですが、時期がよく、周囲には見事な紅葉を見ることができました。
途中で見つけた湧き水を飲んでいるランナーも。地元を知り尽くしたガイドが一緒に走っているので、こういう隠れポイントも教えてくれます。
1日目の最高峰は、1264.4mの北面白山山頂。いくつか山を登りますが、山頂に着くたびに少し休憩を取ります。遠くには宮城、そして山形の街並みが見られる絶景。あいにくの曇り空でしたが、これもまた幻想的でよいのではないでしょうか。
休憩中には水分など補給する人はもちろん、やはり山頂からの絶景に写真を撮っている方が多く見られます。やはりトレイルランニングは、こうした景色との出会いが楽しみのひとつ。山頂付近はすでに紅葉も終わっていましたが、これも寒い時期にしか見られない山頂からの貴重な景色です。
道中には木で作られた橋、そして複数人では乗りたくないような吊り橋もあります。吊り橋は揺れやすく、下が川になっていてなかなかスリリングです。全体で約12kmと短めのコースながら、存分に山を楽しみ尽くせる時間だったのではないでしょうか。